黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • 人物戦後政治 〜私の出会った政治家たち〜 石川真澄著読了。
    光 (04/18)
  • 人物戦後政治 〜私の出会った政治家たち〜 石川真澄著読了。
    深沢清 (04/18)
  • 地方を動かすためには考え方を「半官半民」にすべきかもしれない。
    光 (04/17)
  • 地方を動かすためには考え方を「半官半民」にすべきかもしれない。
    深沢清 (04/17)
  • 日本会議の研究 菅野完著読了。何故、籠池理事長が一生懸命になるのかを知るための好著
    光 (03/21)
  • 日本会議の研究 菅野完著読了。何故、籠池理事長が一生懸命になるのかを知るための好著
    深沢清 (03/21)
  • 議員生活ってどう?という問いにお答えします。
    光 (02/09)
  • 議員生活ってどう?という問いにお答えします。
    深沢清 (02/09)
  • ブロックチェーンレボリューション読了。ビットコインを支えるブロックチェーンという仕組みがインターネットを大きく変える。
    光 (02/06)
  • ブロックチェーンレボリューション読了。ビットコインを支えるブロックチェーンという仕組みがインターネットを大きく変える。
    深沢清 (02/06)
にほんブログ村参加してます。
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
人物戦後政治 〜私の出会った政治家たち〜 石川真澄著読了。

以下、著者あとがきより引用。

 

戦後民主主義の中で生きてきた私は、政治とは良くも悪くも

普通の人間が紡ぎ出していくものだと信じている。

新聞社で政治記者をつとめている間も、そのことを忘れたことはない。

そうした気持ちから、私は国内の政治事象のうち、

選挙やその制度のこと、投票結果の分析、

世論調査に表れた数字などに特別の関心を払ってきた。

 

しかし、にもかかわらず政治が「政界」と呼ばれる場所で

専業の人々によって営まれる仕事でもあるという側面も、

けっしてないがしろにするわけにはいかない。

そこでの営為は普通の人々を生かしも殺しもするから、

民衆の側からの監視や批判が欠かせない。

 

政治ジャーナリズムは普通の人々と「職業としての政治」を

扱う人々との緊張の間に身を置いている。

私もその場所から報道と評論を続けてきた。

そのため政治家との接触・高裁は私の日常の主な部分をなしていた。

この本は、そうした私の経験の部分、

いわば政界見聞を取り出して書いたものである。

 

ただ、個々の政治家の評伝集というようなものではなく、

私の見てきた時代の政治はどんな質のものであったかを考え、

背景に気を配りながら書いたつもりである。

 

著者が様々な国会議員についてのコメントを行いながら、

昔の政治家が現代の政治家に比べておしなべて良かったわけではなく、

政治家としてレベルが低い人物がいなかったわけではないし、

現代も過去に比べて優秀な政治家は存在すると正直に伝えている。

 

しかし、この著書が出されたのは1997年のことであり、

すでに20年が経過し、小選挙区制が定着し、

政党に比べると議員一人ひとりの影が小さくなっているのが現実である。

 

この著書に描かれている政治家は、それぞれに品格に特徴があったり、

政策に鋭いものがあったり、組織形成に秀でていたり、

それぞれに特徴を持った人々が描かれている。

 

本書では以下の政治家が取り上げられている。

 

池田勇人、大平正芳、宮沢喜一、佐藤栄作、川島正次郎、

河野一郎、三木武夫、田中角栄、竹下登、佐々木更三、

江田三郎、河上丈太郎、成田知己、石橋政嗣、西尾末広、

佐々木良作、羽生三七、土井たか子、菅直人、武村正義、加藤紘一。

 

すでに子供世代すら政界を引退した人も多数である。

1957年に朝日新聞に入社して政治部に配属された著者がみた時代なので、

それもまた当然であろう。

 

しかしながらこの書を読んでいて、全く飽きがこないのは、

石川氏が政治家との距離感を一定に保っており、

けっして個人的な関係を持ちすぎていない姿勢で、

あくまでも政治の場面を知るための

取材活動の範囲に拘っていることが要因だろう。

 

政治活動とは、人間の泥臭い部分が現れやすい、

ともすればダークな世界である。

 

しかしながら、価値観が異なる人をまとめ、世の中を動かしていくには、

好き嫌いを超えた普遍的なメッセージを発信していくことが、

求められているのが国会議員の一つの必要条件でもある。

 

それはまた、彼らに接する政治記者も然りであろう。

そんなことを考えるにあたり、

2017年現代の国会議員及び政治記者はどうであろうか。

 

政策的に優れた意見表明を連発する政治家は与野党に存在するが、

政局に流されずに、安定した得票を得て、

自らがポリシーとする分野で十二分な国民的評価を得ている

国会議員は、果たしてどの程度存在するのであろうか。

 

私は、国家の中枢である国会議員から非常に遠い位置である、

地方自治体で、一人の議員として活動を行なっているが、

自らが得意とするフィールドをまだ定められておらず、

行政当局が一目置けるような議員になるには、

全く遠い道のりが必要な状態である。

 

だからこそ、時代を超えて、その存在感を示している

石川真澄氏が記している昭和の政治家から学ぶ点が多々ある。

 

政治家としての姿勢はもちろんのことながら、

自らが寄って立つ点をきちんと定め、

それを政治家としての生涯突き通す意思を持ちつつ、

政党という属する組織の目的を決して蔑ろにしていない点である。

 

時代は変わったと、過去を無視することは簡単である。

しかしながら、有権者が投票によって政治家を選び、

選ばれた政治家が政党を作り、そこで国会を運営する仕組みは、

1946年以降本質的には変化していない。

 

良い面も悪い面もひっくるめて、先人の歴史に学び、

現代の政治家が見落としてしまっている民主主義の本旨が

何なのか、時には立ち止まって考えて見なければならない。

 

全くのひよっこの地方政治家である私に、そんな決意を与える、

石川氏の政治に対する愛情が伝わってきた政治人物評であった。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

評価:
石川 真澄
岩波書店
---
(1997-05-28)
コメント:政治家は骨がない、だから関心がない。そう思っている方にこそ目を通してほしい気骨あふれる昭和の政治家がここには沢山紹介されている。

読書 | 06:14 | comments(2) | - | - | - |
日本列島創生論-地方は国家の希望なり- 石破茂 著 読了
評価:
石破 茂
新潮社
¥ 821
(2017-04-14)
コメント:行政に関心があまりない方にも読んでいただきたいコンパクトに地方創生についてまとめられた良著です。

地方がただ中央からの補助金をアテにしているといった、

これまでのあり方では、国家自体が立ち行かなくなります。

地方と、そこに住む人たちが自信を持ち、誇りを持ち、

感動するストーリーを紡ぎながら、それぞれの地方を作っていく。

その姿勢が今の日本には絶対に必要である、と私は考えています。

 

江戸時代に、徳川幕府が地方のために

何かやってくれるというようなことはなかったはずです。

そのおかげで地方に独自の文化、産業、教育が発展しました。

その頃に戻れなどと申すつもりはありません。

しかし地方の自立ということを

もう一度考えてみるべきではないでしょうか。

 

官と民のあり方、地方と中央のあり方、官と個人のあり方、

そういうものを国民全体でもう一度考えてみる。

それによって、日本人が幸せになり、地方が豊かになり、

日本国全体が豊かになっていく。(以下略)

 

以上、本著巻末の言葉より引用しました。

 

石破茂氏の講演を今年の2月西海市にて拝聴しました。

まさに講演で語られたメッセージが凝縮されている内容でした。

 

初代の地方創生担当大臣として、自民党幹事長など選挙応援によって、

全国を飛び回り、多くの方と情報交換をされている

石破氏なりの日本国に対する危機感は相当なものと感じます。

 

それを土台に、数多くの地方創生に向けた将来に繋がる事例を踏まえ、

どうしたら人口減少が続き、急激な高齢化によって、

地方だけではなく日本全国の活力が減ってしまう状況を

転換させていけるのか、非常に具体的な処方箋がまとめています。

 

これまで、住民は政治家に政治を委ね、

地方公共団体は政府に予算付けと政策立案を委ね、

自らのチームを自ら維持していくための創意工夫が

十分にできていなかったのではないかと、石破氏は指摘されています。

 

国全体が経済成長を維持できていて、人口も増加し、

社会的負担が求められる高齢者の割合が低い時期は、

国が自治体が行政サービスを右肩並びに提供できる状態であったでしょう。

もちろん地域によってその充実度は異なるのが当然ながら。

 

しかしながら、人口の都市圏集中が進み、

人口の3割以上が高齢者となる地方が増え、新しい企業も多くが

大都市圏に集中するようになってくると、

新しいことを行うために、他者に依存する環境は、

どんな田舎であれ、どんな都会であれ難しくなるのが現実です。

 

それは、国であれ地方自治体であれ、企業であれ個人であれ、

言い方は適切ではないかもしれませんが「自己責任」が

求められる状態がどんどん増えているのが、日本の実態です。

 

そんな中で、「できる理由よりできない理由」をあげて、

自らが変化していくことを望まない日本人が多数存在するのも現実です。

何故ならば、変えることは大変なように思えるからでしょう。

 

しかし、この著書で冒頭から石破さんが指摘されている通り、

現代日本は、これまでの歴史で体験したことのない危機を迎え、

現在の出生率が続いていくとすると国が亡くなるほどの未来が確実にやってきます。

 

遠い先の未来ではなく、現在の高齢化が進むと、

東京周辺で、高齢者サービスを受けるために、

労働者の取り合いが起きるのも、十年以内とも考えられるほど

福祉に関わる現状は深刻な状況が続いています。

 

 

今の時代に限りませんが、日本国という大きな仕組みを変えるのは

非常に大変な仕事であり、どんな優秀なリーダーが出ても、

すぐに180度の転換を行うのは不可能です。

しかしながら、地方自治体レベルであれば、一つのリーダーなり、

一つの企業が自らの責任を持って取り組むことで、

大きくその方向性を転換させることは可能です。

 

だからこそ、石破さんはこの著書で、

島根県邑南町、兵庫県養父市、岡山県真庭市、島根県海士町、

北海道音威子府村、鳥取県智頭町、島根県太田市、鹿児島県鹿屋市、

新潟市、富山市、香川県高松市、島根県雲南市、愛知県長久手市、

鹿児島県伊仙町、神奈川県秦野市、千葉県佐倉市、北海道夕張市、

などなど多くの興味深い地方創生の取り組みを行っている地域の

具体的な事例とそのインパクトを紹介されています。

 

これらの事例をそのまま他が真似しても何もなりません。

しかしながら、このような多様な地域がそれぞれに、

自らが置かれた環境を言い訳にせず、変化を起こしている事実は、

これまで方針転換をさほどせずに、人口がシュリンクしている地域には、

大きな参考書として生きた教訓を与えてくれるはずです。

 

私も、町づくりの一端を担う特別行政職として、

どうすることが、この地方創生に繋がり、

この地域の住民の方に笑顔をもたらすことになるのか、

しっかりと外と中を今一度観察し、動いていきたいとファイトを得ました。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

読書 | 23:25 | comments(0) | - | - | - |
「週刊文春」編集長の仕事術 新谷学著 読了。

正直に言って、私は週刊文春を読むのはコインランドリーくらい。

買って読んだことは数えるほどしかない。

しかし、阿川佐知子さんのインタビューや飯島勲さんの連載、

そしてついつい読ませられてしまうスクープ記事には、

他の立ち読み週刊誌と違って嫌味がないのがいいなあと思っていた。

 

そんなボヤーっとした文春感を持って、この著書はビジネスマンにも、

読まれるべき本であるという宋文洲氏の推奨によって手に取ってみた。

読み始めて数時間で一気に読了してしまうほど面白い本だった。

 

新谷学編集長は、大学卒業後文藝春秋に入社し、

「マルコポーロ」編集部、「週刊文春」記者・デスクを経て、

月刊「文藝春秋」編集部、ノンフィクション局第一部長から、

週刊文春編集長に就いた生粋の文春マンである。

 

この著書のテーマは大きく言えば、

「人間って面白いよね」ということを追求することが、

仕事を面白くするのではないですか?

という新谷編集長からの提案のように私は感じた。

 

メディアの萎縮が色々な部門から叫ばれる中において、

週刊文春が、様々なタブーに挑みスクープを連発している背景に、

どんな考え方、そしてそれを踏まえた組織がどのようになっているのか、

全てを余すところなく、この著書で解説されている。

 

メディアのあり方に限らず、企業の取り組みに面白みがないと、

批判されることも多い日本企業や組織の現状であるが、

新谷氏が指摘するように、新しいことをやることを恐れずに、

楽しいものを目指そうとする姿勢こそが、

仕事を面白いものにする原動力である考え方には全面的に賛同する。

 

出る杭は打たれるのが当たり前かもしれないが、

そもそも、色々な組織に杭が出ていなかったら、

その組織は他の同業者との差異がいずれなくなってしまうのは必然である。

つまり、出る杭を打ち続けることは、自らを滅ぼすことになる。

 

インターネットの普及によって出版は廃れてしまうという

どこでも叫ばれるテーゼが存在するが、

アマゾンという世界最大の小売事業者は、出版物を売ることを祖業とし、

未だに出版物を販売することで世界中で収益を上げている。

つまり、やり方が変わっているだけで、

モノを書く意義がなくなっているわけではない。

 

週刊文春は、自らの存在意義を「スクープを提供すること」と定め、

その取材活動を充実するために、組織を鍛え、

取材費を捻出するために、出版部数を伸ばしたり、

その他のネットなどの収益源を確保するために協業を進めている。

 

一方で、記者は取材源を求めて数多くの現場に出かけている。

ネットメディアの多くは、新聞や週刊誌など一次情報を

他のメディアに依存していることが多く、

現実社会を大きく揺るがすようなニュースを提供する機会は限られている。

(もちろん、ネットメディア発の社会的ニュースもあるが)

 

自らの組織が何を最も求められているのか、

仕事のやり方が今の社会にとって本当に必要とされているのか、

社員が会社のやるべき仕事に真摯に取り組んでいるのか。

 

こういった視点を客観的に理解している経営者は、

日本全体で結構数少ない存在なのかもしれない。

だからこそ、目先の課題に汲々として、

自らが主体的になって変化を起こすことができないのではないか。

 

そんなことを考えさせられた新谷編集長の数多くの視点は、

まさに週刊文春というチームの働きを通じて、

色々なものを日本のビジネスパーソンに考えさせられるものである。

 

さて、私自身小さい世界とは言え、この著書でも数多く書かれる、

政治を生業として日々を過ごしているわけで、

どうしたら面白い人間として認められるか、

その客観的な視点を持ちながら、精進していきたい。

JUGEMテーマ:ビジネス

評価:
新谷 学
ダイヤモンド社
¥ 1,512
(2017-03-10)
コメント:さくっと読める。これから仕事を始める新入社員や、逆に新入社員を受け入れる企業の管理職にも読んでほしい一冊。仕事って楽しくやることが本旨であるはずですよね?

読書 | 22:04 | comments(0) | - | - | - |
日本会議の研究 菅野完著読了。何故、籠池理事長が一生懸命になるのかを知るための好著

菅野完氏が日本会議の研究についての論文をまとめていることは、

ハーバー・ビジネス・オンラインでの連載スタート時点から、

存じてはいた。もちろんこの著書が刊行され、話題になったニュースも。

 

なんとなく手に取るタイミングを逸していたが、

森友学園の籠池理事長に菅野氏がインタビューしている姿を見て、

今読まずしていつ読むの?という衝動に刈られ一気に読み進めた。

 

読後の感想としては一言で言えば「爽快な叙述詩」というかたちで、

政権に負の影響を与えているともされる日本会議の実態を追った論文でありながら、

決して出版差し止めを行うべき一方的な批判書であるとは言えない。

しかしながら、何故これほどまでに日本会議など周辺グループが、

政治の中枢に影響を持つまでに至ったのかがコンパクトにまとめられている。

 

また、自らの関係性が希薄なものだったと発言している

安倍首相、稲田防衛相の行動に対して、

森友学園の籠池泰典氏が、

どうしてこれほどまでに憤りを感じているのかも、

この本を読めばその意味が概ね理解できるはずである。

 

日本会議、日本青年協議会、日本政策研究センターの存在と、

安倍政権の繋がりをここまではっきりと解説するメディアは存在しない。

しかし、その点が明確になっていれば、

どうしてこの政権が憲法改正に向けた動きを強めているのかが

明確になってきて、どのような政治スケジュールを持って、

政治に臨むだろうかということが朧げに見えてくる。

 

菅野氏もツイッターで指摘しているけれども、

現政権の政治スキャンダルを闇雲に指摘する前に、

もう少し日本会議周辺について研究する必要が、

野党の国会議員には求められているのではなかろうか。

 

何故ならば、政教分離が日本国憲法に示されているにもかかわらず、

それが全くなされていないように動いているのが現政権なのだから。

 

日本会議、日本青年協議会、日本政策研究センター自体及び、

地方政治、国政への関わり方については、

政権を批判する立場の人々もしっかりと捉えるべきであろう。

 

原発や米軍基地建設反対などワンイシューの取り組みも

もちろん重要ではあるかもしれないが、どういう構造が、

政治の中枢に存在しているのかを理解せずして、

それに対峙しようというのは、武器なく戦車に突っ込むようなものである。

 

右傾化というキーワードが、

長らく行われた学生運動の延長線上に存在しているという、

この著書の指摘は、目の前の現実を直視しているだけでは見えてこない。

ジャーナリストが自らの仮説を元に調査報道を十分に行わない現在、

菅野完氏のようなものを書く人の執念は、大きな発見を導く。

 

政治がごちゃごちゃしているように感じる今だからこそ、

このような政治の中枢を追った秀逸な読み物が読まれる時期ではないだろうか。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

評価:
菅野 完
扶桑社
¥ 800
(2016-04-30)
コメント:どうして安倍総理と森友学園籠池理事長が昵懇だっただろうと想定できるのか、その理由はこの本を読めば見えてくるはず。

読書 | 11:03 | comments(2) | - | - | - |
AIが同僚-あなたはたのしく一緒に働けるか- 日経BP社発行 読了。
評価:
---
日経BP社
¥ 1,620
(2017-01-20)
コメント:AIを自社のビジネスに活用している企業・組織の最新事例集が採録されている。是非これから社会人になる人にも手に取っていただきたい一冊。

これまでAIの考え方、アメリカなどでの導入事例、

日本でも活用者のインタビューを再録した書籍は多かったが、

企業の活用事例を具体的に紹介した本は初めてと言っても良いだろう。

 

日経トップリーダー及び日経ビッグデータという、

企業人特定層向けの媒体に取り上げられたAIを導入した

日本の最先端企業事例を30以上紹介しつつ、

それらを導入・活用している識者の「AI考」をインタビューしている。

 

AIの導入なんてまだまだ日本では進んでいないと考えている方が、

以下の組織で積極的に活用を進めていると聞いた時、

果たして他人事でいられるだろうか。

本当に業種・事業形態を問わず爆発期に差し掛かっている。

 

リクルート

野村総合研究所

ダイキン工業

ハウステンボス

三菱東京UFJ銀行

みずほ銀行

三井住友銀行

千葉銀行・第四銀行・中国銀行・伊予銀行・東邦銀行・北洋銀行

いすゞ自動車

はるやま商事

Casy(クラウド家事代行サービス)

米エアビーアンドビー(Airbnb)

三越伊勢丹

トライアルカンパニー

IDOM(旧ガリバーインターナショナル)

JINS

あきんどスシロー

ファナック

アサヒビール

アスクル

日立物流

ビズリーチ

住友電装

SUSQUE(勤怠情報から退職確率を算出)

FRONTEO(電子メールから情報漏洩恐れ社員を抽出)

ソフトバンク

大林組

ワークスアプリケーション

日立製作所

三菱商事

富士フィルム

東京大学医科学研究所

大丸松坂屋

サイトビジット(資格試験のオンライン学習サービス)

米マジスト(写真や動画を自動編集)

マッキャンエリクソン(テレビCMをディレクション)

 

もっともっと企業名・団体名は登場しているが、

少なくとも上記に挙げた組織は、

自らの業務をより前向きに変化させていくために、

AIを使ったシステムを積極的に活用している。

 

この著書のタイトルにあるように、

AIを使ってこれまでに社員が行なっていた作業を

何らかの形で肩代わりさせる「同僚」として。

 

もちろん、その過程の中でこれまで人間がやっていた

業務内容を積極的に見直し、

AIが得意とする大量データから規則性を見出し、

特定の業務を省略化する作業を次々に見出している。

 

いずれの企業でも他社動向以上に、

自らが抱えている経営課題を改善していくために、

自社に必要なAIの仕組みはどういうシステムなのかを

積極的に考えようとしているところが、非常に興味深いものであった。

 

まだまだAIを産業界に取り入れられてから時間は短いが、

驚くべきスピードでその普及度は高まっている。

 

2020年には、ただ誰かが構築したAIのサービスを使うのではなく、

自らの組織で新しいAIの仕組みを生み出した企業が、

事業全体としても、同業他社を上回る競争力を得るのは、

ほぼ確実と言えるのではないだろうか。

 

その時代環境の中では、社会人を作り出すための、

教育環境も変化を余儀なくされ、

またこれまでICTに関心が薄かった社会人も変化を求められる。

 

とにかく、まずは色々な意味で活用され始めている

AIの仕組みがどうやって動いているかを知り、

自社のビジネスに何らか活用することはできないのかと、

考えてみることを早急に行う必要がある。

 

それが2020年代を面白く生きるスキルであることは間違いない。

この著書はビジネス事例集としてだけ捉えるのは勿体無い。

色々な可能性を考える参考書として活用してほしい。

JUGEMテーマ:ビジネス

読書 | 08:19 | comments(0) | - | - | - |
AIの衝撃〜人工知能は人類の敵か〜 小林雅一著読了。
評価:
小林 雅一
講談社
¥ 864
(2015-03-19)
コメント:刊行から2年が経過しているが、AIの大枠を掴むにはよくまとめられた新書。人物紹介が豊富な点もすぐに活用できる点。

AI、その言葉を企業のニュースで聞かない日はないような状況となっている。

この著書のサブタイトルにあるように、人工知能は人間の仕事を奪うのではないか、

そんな懸念からこのトピックスにあえて近づかないようにしている人もいるのではないか。

 

しかしながら、まずは人工知能とは何なのか。

どういった歴史的経過があって研究され、事業に活用されるようになったのか、

現在はどのような使われ方をして、今後はどのような展開が見込まれるのか。

 

せめてこの程度を知っておいても、日々の生活に有害どころか、

知らないまま、世の中が進むことを指をくわえて見ていると、

AIを巧みに使いこなし、新しい時代を切り開く人との差は開く一方である。

もちろんその結果、生活レベルを落とさざるを得ない結果になる。

それを全く問題ないと受け入れられる人以外は、せめて関心を持って欲しい。

 

前書きはこの程度にして、この著書が登場して2年以上が経過して、

取り上げられるAI活用事例は刻々と変化しているが、

この著書に書かれているAIとの付き合い方は全く色褪せないので、

その部分をご紹介したい。

 

本著最後にある著者私見部分より以下引用。

————

(前略)

つまり汎用的な知識までもコンピュータやロボットに抜かれたときに、

「知能を武器として生き残ってきた人類そのものが、実は大したものではなかった」

とする自虐的な思想です。

 

しかし、そうした事態はおそらく起きないでしょう。

それは「知能」が人間に残された最後の砦ではないからです。

それを上回る「何物か」を私たち人間は持っているのです。

 

それは、ある能力において自分よりもすぐれた存在を創造し、

それを受け入れる私たちの先見性と懐の深さです。

 

蒸気機関からコンピュータ、そして産業用ロボットまで、

私たち人間はあえて自らの雇用や居場所を犠牲にしてまで、

人類全体の生存と繁栄を促す新たな技術を開発し、それを受け入れてきました。

 

これは単なる「知能」という言葉では表現しきれないほど大きな「何か」です。

このように将来を見据えることのできる叡智と包容力こそが、

私たち人間に残された最後の砦なのです。

————

 

著者は、この本を通じて多くのAIの進化の可能性について触れ、

人間が果たす役割の多くが人工知能に取って代わられることを解説する。

 

だからこそ、これまで人間が行ってきたことの多くが、

コンピュータやロボットが行う作業に変化することを前提に、

我々人間はそれをうまく活用していく立場に変化することの必要性を説く。

 

 

人工知能によって金融危機を契機に大きく資産を増やした人物の話。

ディープランニングと呼ばれる機械学習についての解説。

グーグルなどのIT企業がAIによって多くの個人情報を収集する雰囲気。

次世代ロボットに対するアメリカ及びEUと日本の開発ベクトルの違い。

将棋ソフトでプロ棋士を破るまでに至ったAI開発の経緯。

楽曲を制作するソフトが作った音楽に人間が拍手喝采をしたエピソード。

 

 

挙げればきりがないが、人工知能がこれまでに起こしている事実を通じて、

世の中がどのように変化するのかを概略的に理解するには格好の新書になっている。

 

世界各国でAIを巡る研究が加速し、

実際の産業に取り入れらる事例が増える中、

AIやロボットなど人工物と人間がどんな付き合いをして、

その結果世界がどう進むのだろうと考えることこそ、

これからの時代を面白く生活するために、必要な頭の体操ではないだろうか。

 

この本に類似した本は、今後多々刊行されると思われるが、

「AIの衝撃」がホットなのは、数多くの人物を取り上げていること。

 

それらの人々の現状を追えば、2年が経過していも間違いなく、

最新のAI事情は掴めてくるはずである。

たAI開発の経緯。
楽曲を制作するソフトが作った音楽に人間が拍手喝采をしたエピソード。


挙げればきりがないが、人工知能がこれまでに起こしている事実を通じて、
世の中がどのように変化するのかを概略的に理解するには格好の新書になっている。

 

世界各国でAIを巡る研究が加速し、産業に取り入れられる事例が増える中、
AIやロボットなど人工物と人間がどんな付き合いをして、
その結果世界がどう進むのだろうと考えることこそ、
これからの時代を面白く生活するために、必要な頭の体操ではないだろうか。

 

この本に類似した本は、今後多々刊行されると思われるが、
「AIの衝撃」がホットなのは、数多くの人物を取り上げていること。

それらの人々の現状を追えば、2年が経過していも間違いなく、
最新のAI事情は掴めてくるはずである。

JUGEMテーマ:ビジネス

読書 | 17:15 | comments(0) | - | - | - |
ブロックチェーンレボリューション読了。ビットコインを支えるブロックチェーンという仕組みがインターネットを大きく変える。
評価:
ドン・タプスコット,アレックス・タプスコット
ダイヤモンド社
¥ 2,592
(2016-12-02)
コメント:ビットコインは怪しい?そう感じている人にこそ読んでいただきたい、その技術のインパクトを様々な面から論じた一冊。

インターネットが世の中に一般化して20年以上が経過し、

社会を取り巻くいろいろなものが変化した。

しかし、その歴史が始まって以来今までずっと、

その情報はどこかのサーバーに集約され、どの端末やモノから

発せられる情報ですら、誰かの媒介がなければ

存在しないものとみなされていました。

 

しかし、ブロックチェーンの仕組みは、

あるプログラム自体が信頼を作り出すことによって、

第三者を介することなく、

やり取りされるデータに嘘がないことを根拠に、

複数の当事者間で直接信頼された取引を取り交わすことが可能になります。

 

つまり、ある人が持っている通貨を誰かのお墨付きで

安全と定義するのではなく、

その通貨自体が信頼性を定義されているので、

その人がどこでその通貨を使っても認められる仕組みを

手にしたようなものと言い換えられるのではないでしょうか。

(この例えが適切ではないとするならば、

適切な例示を方法を教えていただければ幸いです )

 

 

インターネットでの情報のやり取りに対しては、

アメリカ国防総省から始まって変遷がありつつも、

どこかの大きなシステムが情報を一元的に集約できることを

前提に仕組みが形作られてきました。

もちろん、その管理者は時代によって変化しつつも、

GoogleがAmazonがAppleが現在、かなりの数の

ユーザーの個人情報を収集しているのは周知の事実です。

そして、それが多くの政府機関に伝えられていることも。

 

もともとインターネットは、何らかの中央集権機関から

情報を分散させることがその普及のメリットだと、

宣伝されていたにもかかわらず。

 

しかし、ブロックチェーンの仕組みを使っている

ビットコインという仕組みは、

どこの政府機関が信頼性を担保しているわけでもなく、

取引所を通じて、世界中の通貨とその価値が交換されています。

 

2017年2月6日現在1ビットコインが117,500円ほどで取引されています。

ビットコインの発行総額をドルに換算すると

168億ドル(およそ1.9兆円)の市場価値が存在しているとのことです。

ちなみに、千葉県の平成28年度の当初予算規模が約1.7兆円。

 

この自律的なブロックチェーンという枠組みは、

お金の流れだけではなく、様々な情報を発信者主体で

紡いでいく仕組みであるために、それを取り扱う人間が

意図的にコントロールすることが極めて難しくなっています。

 

モノがインターネットに繋がるIoTの仕組みや、

一定のルールに基づいて自律的な処理が行われるAIと、

このブロックチェーンの基幹になる合意形成の仕組みが

組み合わさることによって、

多くの人間がコントロールしていた仕組みが自動化されていきます。

 

もちろんこのことで、現在の人間生活にとって

不便に感じることも生じるでしょうが、

社会は人間への負荷を減らしつつ、自律的に動いていくことも可能です。

 

ブロックチェーンの普及如何にかかわらず、

インターネットのさらなる進化によって、

人間の生活は間違いなく変化せざるを得ない時期が、

刻一刻と迫っています。

 

先進国の国民よりも、途上国の国民の方がその恩恵を受けることが、

多いだろうことは容易に想像できます。

何故ならば、イノベーションのジレンマでも明らかなように、

様々な便利なものを手にしていないからです。

 

だからこそ、最も考え方を変えなくてはならないのは、

我々、先進国に暮らす一定の所得を持ち、

ある程度の教育を受けた人間なのかもしれません。

 

インターネットはそれまでの社会をわずか20年ほどで大きく変えました。

きっと、これから起きてくる社会変化は、もっと短い期間なのでしょう。

 

その時期に、どんなことが起きて、

どうすればその世の中で自らの存在感を発揮できるか、

今の現状を一旦脇に置いて、ちょっと考えてみるのは、

今後の世の中を生きていく上で、

全く無駄にならない思考実験だと私は考えています。

JUGEMテーマ:読書

読書 | 16:48 | comments(2) | - | - | - |
人工知能が全盛になる時代に向けて労働者が行うべきこと

AI(人工知能)やIoTなど様々なインターネットに関連する

用語が飛び交う中で、自らの生活には大した影響がないと

楽観視している人は多いのだろう。日本でもアメリカでもその他でも。

 

しかし、ちょっと振り返ってみると、iPhoneが発売されて

10年足らずだが、スマートフォンがない生活は考えられない。

もう少し振り返ってみると15年くらい前に普及し始めた

携帯電話がない生活は日本ではすでに考えられないのが現実だろう。

 

つまり、インターネットなど情報をやり取りする世界において、

この20年で世界は大きく変化し、それに応じて経済活動も

ダイナミックに変化しているのが現実である。

 

一方、日本人の社会生活はあまりに大きく変わっているようには思えない。

例えば東証上場企業には、20年前から変わらず存在する企業も多い。

 

しかしながら、今後20年を見据えてみると、

きっとインターネットを活用している企業や個人と、

そうではない企業や個人とでは大きな所得格差が生じることは間違いない。

 

何故ならば、インターネットを活用する企業は、

考え方でビジネスを行なっているので、コストを極限に抑える一方で、

出来るだけ広範囲のユーザーを確保することで、

利益を独占的に得る仕組みを形作ろうと革新続けるからである。

様々なコストを掛けて巨大プラントを維持する既存企業を尻目に。

 

この辺りのことをピンと来ない方は、是非とも

クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ」を一読いただきたい。

 

今日は、ちょうどニュースで人工知能がポーカーでプロ4人に勝ち、

2億円超のチップを獲得したという報道がなされていた。

単純に考えてみても、情報を蓄積しその解析をし続けることで

進化を無尽蔵に続けられる仕組みが、人間に勝つのは時間の問題である。

 

アマゾンドットコムが猛烈に商品ラインナップを増やし続けるにも関わらず、

商品ラインナップを投下するバイヤーの数が、

リアル店舗を運営する企業に比べて圧倒的に少ない理由は、

膨大なお客様の購買履歴データから、

適宜必要な発注量を明確に弾ける仕組みがあるからである。

 

インターネットが世の中に普及することによって、

情報を様々な人々、様々な機械、様々なシステムが共有するようになった。

このことで、それを解析することで、近未来の行動を予測できるようになった。

 

ある人間が、次にどんな検索を行い、それによってどんな消費行動を

もたらすかを予測することによって、広告を表示させているのは、

人工知能と呼ばれるかどうかわからないが、人手以外の仕組みによるものである。

 

アップルのiPhoneに搭載されているSiriという仕組みも、

インターネットを活用することで、ユーザーが呼びかけを行う

問いかけに対して無数の情報を解析して答えを行なっている。

 

その回答は、毎日世界中で、

ものすごい数のユーザーが行うやり取りを踏まえ、

日々進化し続け、より的確なものであるべく自動で更新されている。

 

 

情報に関する限りにおいて、すでに人間が機械とかそれを司る

システムに勝てるはずがないのが、2017年の今の現実である。

 

それを理解した上で、いかに情報をシステムに頼りながら、

日々の生活を営んで行こうとするのか考えることが、

これからの時代を生きていく上で必要不可欠なスキルである。

 

そうであるならば、何かを記憶するだけの勉強が無意味なのは自明である。

色々な情報を組み合わせて、自分なりの楽しみ方(オリジナリティ)を

他者に伝えることができる人が、

社会から仕事を得られるのが、これからの世界である。

 

その意味で、労働者としてやるべきことは、

まずこれまでの概念を一旦脇に置いて、

世の中が向かっている大枠を掴むことではないだろうか。

 

何故、Facebookが、Googleが、Amazonが、Microsoftが

時価総額を増やし続ける一方で、

日本の伝統的IT企業がそのレベルで時価総額を増やすことができないのか。

 

それは、ゲームを変える仕組みを、

自ら作り出そうとしないからに他ならない。

 

であるならば、ロボット技術など特定の分野で、

日本企業でありながらGoogleなどに買収された企業は、

自らで新しい仕組みを作り出しているに違いないと考えることができる。

 

その感覚を他人の解釈ではなく、

自分自身の問題意識でピンとくる人は、

AIなりIoTなりが全盛になってきても、

どんな企業が伸びて、どんな企業が廃れるのか、

目利きができ、自分自身の仕事を取捨選択できるようになるはずだ。

 

さて、以下の本を読んでワクワクした感動を元に、

上のように雑感を綴ってみたが、私自身まだまだ、

今後の日本における注目企業を見出せるまで知識が達していない。

もう少し、STEMについて体型的に勉強しなくては。

JUGEMテーマ:ビジネス

評価:
ジェリー・カプラン
三省堂
¥ 2,700
(2016-08-11)
コメント:今後の世の中がどう展開していくのか、経営・政治・教育など様々な点から具体的な事例を踏まえながら解説された一冊。読んでいて全く損しない内容。特にこれから仕事を始める人に読んでほしい。

読書 | 23:42 | comments(2) | - | - | - |
TSUTAYA創業者の一人 村井眞一 著「商売人人価」これからECをやる人の必読書。
評価:
---
---
---
()
コメント:人間の本質、商売の本質、小売の歴史、今後のビジネスのあり方、様々な知見与えてくれるコンパクトかつ重みのある一冊。必読書。

私は、たまたまこの本を佐賀県有田町の一書店で手に取った。

先入観から、町の本屋に大したビジネス書は置いていないだろうと、

舐めてかかったが、立ち読みでこの本に出会って感動した。

これは間違いなく、今後私がビジネスをやっていく上で、

座右の銘になると確信した。

 

買い求めて、フェイスブックに数行告知をしたところ、

早速その書き込みだけで、

私のAmazonアカウントから3件の注文を頂いていた。

このインパクトは、藤田田氏の「ユダヤの商法」以来である。

 

改めて、しっかりじっくり読んでみたので、

エッセンスを少しだけ紹介したい。

 

著者の村井眞一氏は、アパレルチェーンの鈴屋でバイヤーをしたのちに、

増田宗昭・伊藤康史氏とともに、TSUTAYAを運営するCCCを

創業し、800億円企業に成長させたシステムを作った張本人である。

その後ファンド勤務を経て、熊本の企業を80億円で買収、

2015年にはその企業の年商は200億円近くにまで成長している。

その会社をも離れ、再び小売業のシステム構築をサポートする、

AMSという企業を作り、さらなるチャレンジに取り組まれている。

 

この著書「商売人人価」では、現代小売の本質について、

6つの章立てで説明をなされている。

 

1.TSUTAYAが日本最大のレンタルチェーンになった理由

2.ファッション業界で飛ぶように売れる店の秘密

3.風通しの良い組織が売上をあげる

4.売れる店が守っている「商売人人価」の法則

5.Eコマースからネクストコマースへ

6.ネクストワールドの創造に向かって

 

つまりは、6章は今後の展望と、そこでどのように

我々は生活していくべきなのかまでテーマを広げられている。

 

この目次だけでも内容をそそられる人が多いだろうが、

この著書価格は、わずか1080円でページ数は191p、

決して読みにくい本ではない。

しかしながら、ドラッガーも、ゴールドラットも、

ローマ人の物語も、様々な「組織論」のエッセンスが盛り込まれている。

 

それでいて、主となるテーマは小売であるので、

多くのビジネスを経験し、本質を捉えた村井氏の視点は、

EC(インターネット通販)であろうと、大店舗であろうと、

町の小さな商店であろうと、レストランであろうと、

お客様を対象にビジネスを行う人が必要とされているポイントを、

この著書で惜しげも無く提供している。

 

著書の帯には、株式会社TSUTAYA 能登康之氏が

「何度、この言葉に救われたことか。この本は、商売人のバイブルです!」

とのコメントを寄せているが、決して大げさではないと、

私自身は、痛感し、繰り返し読み返していきたいと感じている。

 

特に、私自身通販サイトの運営に携わっていて、

商売のポイントは、商品であることを痛感していたので、

村井氏が何度も繰り返される売れる店の要諦には納得しきりである。

 

商・・【商品】・・良い商品を扱っているか(仕入れ)

売・・【売場】・・良い売場になっているか(規模、陳列、提案)

人・・【売場】・・接客、トレーニングはどうか

人・・【お客様】・・集客、販促、サービス

価・・【価格】・・価格戦は最後/経営判断で行うこと

 

とにかく、騙されたと思って手に取っていただきたい一冊である。

JUGEMテーマ:読書

 

読書 | 21:19 | comments(0) | - | - | - |
ザ・チョイス-誘惑に惑わされるな!-エリヤフ・ゴールドラット著 読了。
評価:
エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社
¥ 1,727
(2008-11-08)
コメント:小売業・卸売業に関わる方には1度目を通していただきたい。

私がこの著書の巻末で、本著のエッセンスだと感じたのは、

最後の主人公ゴールドラット博士と娘のやりとりである。

———————————————————

「悲観主義者?」

「そういうものもあるかもしれないが、『実践的先見者』って言うんだよ。

自分が将来どうなるか、それは自分自身の選択次第なんだ。

いいかい、エフラット。

楽観的というのと、安易であるというのは違う。混同してはいけない。

 

それからいま、お前が教えてくれたいくつかのポイントだが、

裏返して考えてみれば、それは、他人に責任を押しつけたり、

環境のせいにしてはいけないということだ。

あるいは、自分のコントロールの及ぶ範囲じゃないとか、

自分の能力を超えているなどと言ってはダメだ。

 

自分自身の人生なんだから、自分ですべて責任を持たなければならない。

そうすることで、充実した有意義な人生を送ることができるようになるんだ。

だけど、それは決して簡単なことではない。

 

人というものは、愚痴をこぼしたり、

不平不満を言ったりするのが大好きな生き物だ。

だが、実際、私はそうした愉しみとは、

おさらばしなければならなかったんだ。」

 

私は笑いながら言った。

「それは、残念だこと。でも、充実した有意義な人生が送れるんだったら、

そんな愉しみ、私も喜んでさよならするわ」

———————————————————

 

この本を手に取ったきっかけは、ジャパネットたかたの創業者である

高田 明氏の講演会で、この本の内容を何度か紹介されたためだ。

 

書かれている内容は、

企業においても、個々人においても、

その存在価値を高めるために、周囲の環境に左右されることなく、

あるべき姿をいかに目指すのか、

どれだけ単純化して考えるかということに、

大きな突破口があるのではないかという、一つの提案であった。

 

社会を担っている一人一人においても、企業においても、

目先の困難をついつい他人のせいにしてしまう。

自らが行なっている行動が、社会に広く認められないために、

その困難を生じさせているとしても。

 

それに気がつき、その問題を解決させるには、

物事を単純に考え続け、その本質はどこにあるのかを探り、

それを踏まえて行動をとり続けるほか、全ては回り道に過ぎない。

 

それを頭の片隅に置きながらも、人間は楽な方に流れがちで、

物事の中心になかなかぶつかっていこうとしない。

 

ゴールドラット博士の指摘は、私が師から何度も

与えられた忠告を繰り返すものであった。

師がなくなった時に、この著を読んでいたのはきっと偶然ではない。

 

誰かのせいにして世の中を批判して何かが変わっても、

結局そこに、自らの満足感はさほど得られない。

自分自身が変化したことによって、少しでも世の中が

変わっていく雰囲気が得られるのであれば、ワクワクは広がる。

 

ちょっと考えてみると至極当然のことながら、

ある程度、世の中に逆らって行動してみないと感じないことでもある。

 

私自身は、そんな人が周囲にたくさん存在した人生を歩んできた。

きっとこれからもそんな人生を歩むのだろう。

 

その時に、常に意識しておきたい。ゴールドラット博士の言葉を。

 

・人はもともと善良である

・すべての対立は解消できる

・ものごとは、そもそもシンプルである

・どんな状況でも飛躍的に改善できる

・すべての人は充実した人生を過ごすことができる

JUGEMテーマ:読書

読書 | 20:35 | comments(0) | - | - | - |

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.