黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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少ない火山学者、少なくなる産科の先生
表題に掲げた二つの専門家は、日本に必要不可欠にも関わらず、
減る一方であり、新しくその道を選ぶ若者は減っている。

2001年の有珠山噴火の頃には、1200人ほどいた日本火山学会の会員数は、
現在1000人を割り込んでいる。
http://www.jpgu.org/dantai/dantai-mem05.html

また、多くの病院が産婦人科になっていることもあるが、
産科を主とする医師数は平成24年度でわずか456人しか存在していない。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/12/dl/kekka_1.pdf

全国に活火山が110も存在し世界的にも活発な火山活動地域であり、
少子高齢化が進展し子供を少しでも増やすためには
どうすれば良いか社会問題になるほどの国、日本。

しかし、それらを中心的に考えて、実際にアクションを取るべき
中心メンバーが絶滅危惧種であることは、案外知られていない雰囲気である。

御嶽山火山活動を解説する学者先生は、様々なテレビ、新聞などで
重なっていることが多いことに気が付いた方も多いだろう。
そう、自らの専門分野を基点にして、状況分析ができ、
なおかつメディアで解説できる火山学者は、実際に数十人レベルである。
(もっと少ないとのご批判が来そうな気がします。)

止まっているとは言え原子力発電所が、
全国に点在していて多くの利害関係者が存在する原子力学会は
7532人の会員数を維持している。
http://www.aesj.or.jp/introduction/H26-002.pdf

火山屋も、産科も決してお金になる仕事ではなく、
現在生きている日本人の一生に関わる時間はほんの僅かである。

しかしながら火山学で言えば、雲仙普賢岳の太田一也先生、有珠山の岡田弘先生のように、
長い時間その専門分野で研究に従事し、住民との連携を密にした人々のお陰で人災を防ぎ、
世界的な多くの知見を獲得した経験も多数存在するなくてはならない分野である。

政府が財政不安や政権安定のために、近視眼的に施策を進めるなかで、
これらの日本になくてはならない専門家は、
新しい世代が盛り立てることを期待できない状態が続いている。

しかし、戦後最大の火山事故となった御嶽山噴火の死者が発生した場所集中でも、
明らかになったように、火山のイロハを知っていれば助かった命も多数ある。

いま日本に必要なことは、部外者の議論ではなく、
数が少なくなって発言が難しくなった専門家の声を真摯に聞くことなのではないだろうか。


(追記:11:15)
火山や全国のジオパーク活動にも詳しい吉田照光さんよりコメントいただきました。
私の知らなかった部分を補足いただいてるので、以下ご紹介します。
------------
たしかに、火山学者が絶滅危惧種といわれる所以はよく分かります。
ですが、最近の各地のジオパークで活躍している人材たちをみると
専門家を唸らすほどの知識と地元の火山の経験を豊富にもった方々が
現れてきているのも事実です。
しかも、その人たちは社会の一線で働いた経験もあるので
学者よりもコミュニケーション能力が高かったりします。
そういった有能な方々を日常的に火山防災の分野に取り込み、
学術的な連携や防災機関とのコーディネーションができれば
少なくとも良い方向に向かっていくでしょう。
残念ながら御嶽山の場合、ジオパーク的な取り組みはまだ出来ていなかったようにみえます。
------------
JUGEMテーマ:火山
火山 | 08:49 | comments(2) | - | - | - |
重要性を分かっていながら、出さなかった登山計画書
登山計画書を出さないことを指摘されている記事を読んで、
この三ヶ月で二度の登山を経験した私は、いずれも登山計画書を
提出していないことを改めて反省している次第である。

知識としては、7月に富士山に登る前から、登山計画書が
山登りに当たって必要な作業であることは認識していた。
しかし、現実として、
富士登山時には登山計画書を投入するポストを見つけられなかった。
燕岳登山時には登山計画書自体が入手できず、ポストに投函している人を
横目に登山を始めてしまったのが私およびパーティーの一行である。

いずれの登山も、山小屋泊であったので、わざわざ登山計画書を
出さなくてもよいという頭があったのは否めない。
しかしながら、今回の御嶽山噴火のように、山小屋が機能を成さなければ意味はない。

もちろん、登山計画書を提出していない最大の問題は、
登山者本人にあることは否めない。
しかしながら、それを促そうとする地元の施設、売店、宿泊所などのスタッフの
後押しが重要であることも紛れもない事実ではなかろうか。
いざ何か不測の事態が生じたときに、登山者の捜索に当たって、
もっとも骨を折るのは、それらの方々であるのだから。

先のこのブログ記事にも記載したとおり、登山ブームにより、
山登りの経験が乏しい状態で、様々な準備をないがしろにしたまま、
登山にやってきている人々も多数存在する。
しかしながら、自然環境の急変は、登山者に分け隔てなく襲いかかる。
だからこそ、まずはその土地をよく知っている人々が、
登山者や観光客に対して、その土地の特性を知らせる努力をしてほしいと考える。

決してこれは災害対策だけではなく、その土地のリピーターになってもらうためにも
必要不可欠な作業であり、地元住民にとっても面倒だけの作業ではないはずだ。

地元の人々が、登山者や観光客にその土地の特性を案内するには、
まず、地元の人々自身が、自らの土地についてしっかりと学ぶ必要がある。
火山など災害が想定される地域においては、非常時対応を頭に入れることも必要だ。
それらは、結果としてその土地の人々自身を守ることにも繋がる。

今回の御嶽山から助け出された人を写した映像にはヘルメットをしている
登山者の模様が多数流されていた。
果たして、全国の山岳施設に部外者向けのヘルメットは何個備わっているだろうか。
「おもてなし」という言葉はそのような部分にも表れるのではなかろうか。

飛行機の客室乗務員は保安要員としての仕事が第一である。
山を取り巻く人々の仕事の第一も、部外者を安全に土地に招くことではなかろうか。
そして、登山者もそれを応援するような行動をとらなければ、自らの安全は守れない。
この循環を作って行くことが、今求められている登山を巡る安全対策ではなかろうか。
JUGEMテーマ:登山
火山 | 01:17 | comments(0) | - | - | - |
都道府県と同じ数の要警戒火山は全国に点在している
御嶽山噴火により、火山について関心が高まっている。
改めて、日本にどのくらい火山があるのかに興味を持った方も多いだろう。
以下気象庁の火山噴火予知連絡会がまとめた調査を基にして、
監視の対象となっている火山リストを紹介したい。
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気象庁常時監視火山対象リスト 47火山
(火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山)
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html
1.近年、噴火活動を繰り返している火山
過去数十年程度の間、頻繁に噴火している。
100 年以内の間隔でマグマ噴火を繰り返している。

『雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、秋田駒ヶ岳、
吾妻山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、
伊豆大島、三宅島、硫黄島、阿蘇山、霧島山、桜島、
薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島(23 火山)』


2.過去 100 年程度以内に火山活動の高まりが認められている火山
・地震活動 過去 100 年程度の山体浅部の地震活動
(マグマの動きに関連したものなど)
・地殻変動 過去 10 年程度のマグマ貫入等に伴う地殻変動
・噴気活動・地熱活動
過去 100 年程度の活発な噴気活動、地熱活動

『アトサヌプリ、大雪山、恵山、岩手山、栗駒山、蔵王山、
安達太良山、磐梯山、日光白根山、乗鞍岳、白山、箱根山、
伊豆東部火山群、新島、神津島、八丈島、鶴見岳・伽藍岳、九重山 (18 火山)』


3.現在異常はみられないが過去の噴火履歴等からみて噴火の可能性が考えられる
『岩木山、鳥海山、富士山、雲仙岳(4火山)』


4.予測困難な突発的な小噴火の発生時に火口付近で被害が生じる可能性が考えられる
『倶多楽、青ヶ島岳(2火山)』
----------

そう中国地方を除いて、北海道から鹿児島の離島まで
全国に噴火を警戒すべき火山が並んでいるのが日本列島である。
東日本大震災の揺れをもたらしたプレート境界にある日本列島は、
マグマが溜まりやすい場所に位置するために、火山が生み出されやすい環境にある。
このために、逆に優れた土地が形作られ、水は豊富であり、
沢山の農産物を得られるのである。

マグマを噴出していない今回の御嶽山噴火でも、
多くの人が犠牲になり、広範囲の土地に火山灰が降り注いでいる。
人間の記録が残る太古の時代に、
国内全域に火山灰を振り撒いた巨大噴火が阿蘇山などで生じたことが明らかになっている。

これまで恐ろしいものとしての認識が、
ごく一部しか捉えられなかった火山であるが、
雲仙普賢岳でも多くの方が犠牲になっていることを忘れてはならない。
一定限度の警戒が張られていたとしても、生活の身近にある火山は、
人々の生活に身近な余り、その危険性をついつい見落としてしまいがちである。

御嶽山噴火によって多くの方が失った命を無駄にしないためにも、
まずは火山に対して興味関心を持つことは日本人にとって有益なことではなかろうか。
JUGEMテーマ:火山
火山 | 08:45 | comments(0) | - | - | - |
マグマという名の煩悩 鎌田浩毅著 読了
著者の鎌田浩毅氏は、京都大学の火山研究者です。
しかし、この著書は火山という現象をテーマにしながらも、
さまざまな文学作品を紹介しながら、
歴史的な人物にスポットを当てて、
さまざまな課題に悩む人々向けに、人生って?
という一つのヒントを示した本であるように思います。

目次上、登場する人物は、
古田織部、野口英世、夏目漱石、大村益次郎、
桂枝雀、宮沢賢治、菊池寛、北杜夫と多分野にわたります。
これ以外にも、かなり多くの人物が登場します。

タイトルが示す煩悩と火山の源マグマを鎌田氏がかけているのは、
その数がキーなのです。
気象庁が現在活火山と認定している数は、2011年5月22日現在108つです。
そう、仏教で言う煩悩も四苦八苦の合計で108つなのです。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index95zu.html
(ちなみに活火山数は2011年6月の、
火山噴火予知連絡会で2つ増える予定です。)

この著書を取り巻くメインテーマとして、
鎌田氏が設定しているのは、以下の考え方です。
(以下引用です。)
------------------
実は、活火山に神秘性を感ずるのも、
人間の正しい知性かも知れないとすら私は思っています。

火山の下にはマグマが蠢(うごめ)いています。
そして地下のマグマは、ふだんはまったく見えません。
しかし間違いなく、活火山の底には「マグマだまり」があり、
静かに、しかし確実に活動を繰り返しています。
火山ごとに差はあるものの、たびたびその存在を
覗かせているのです。やんわり地下水を温め続け、
時には悠々と噴煙をたなびかせながら・・・。

そのような火山の姿は、私にとってはあたかも
人間の「喜怒哀楽」のようです。
フィールドワークに出かけて火山を毎日見続けていると、
その表情の違いがわかってきます。
人間の顔以上に複雑で優美で、暖かく冷たく、
文字どおり千変万化に富むものなのです。
どのような活火山も、活きている限り「マグマ」を地中に抱えています。
それと同じように、生きている人間ならば必ず
心の中に「喜怒哀楽」が潜んでいるでしょう。

喜怒哀楽とはエネルギーの表出であり、
火山のマグマがもつ膨大なエネルギーと相似の現象とも言えます。
ただ、人ごとに異なる表現をもち、
表出の規模の大小が違うだけなのです。
------------------
(引用終わり)

福島県でも会津について野口英世、阿蘇山と漱石、
松本清張と九重山、幕末長州志士と萩にある火山「笠山」、
京都愛宕山と落語、宮沢賢治と噴火湖、
耶馬溪と菊池寛と関西、などなど、
なかなか一つの著名人だけの人生では結びつかないものを
火山学者なおかつ数々の文学作品を読まれている
鎌田氏なりの視点で繋いでくれています。

きっと、京都大学の教授として沢山の学生に日ごろ接しながら、
現在を生きている若者の悩みについて、
何らかのものを伝えたいと思われて、生まれた本だと感じました。

私が、火山に深く興味を持つようになったのは、
鎌田先生の本のおかげなのですが、とにかく
火山の存在と、日本人には幅広い関係があることが、
とっても分かりやすいのです。
ただ、この本だけでは火山についての現象については、
ちょっと解説不足かもしれません。
そして、登場する個々の文学作品などについても、
イマイチわかりにくいかもしれません。

だからこそ、この本を何らかの、
知識との出会いきっかけにするには悪くないと思います。

大学生・高校生、いやちょっと日々に行き詰っている
若い社会人の方でも、十分訴えるものがあると感じます。

東日本大震災の直後だからこそ、日々地震が多発する今だからこそ、
自然について考えることは人間について考えることだ、
との捉え方ができやすいタイミングではないでしょうか。

文学作品も、少し目線を変えて読んでみるとまた、
違った示唆が得られるかもしれない。
そんな気付きをいただいた本でした。

JUGEMテーマ:火山
評価:
鎌田 浩毅
春秋社
¥ 1,575
(2011-05-21)
コメント:文学作品に興味がある人は手とにって見てください。新しい楽しみ方を見つけられると思いますよ。

火山 | 12:34 | comments(0) | - | - | - |

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