黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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ザッポス伝説 トニー・シェイ著 本荘修二監約 読了
2009年Amazonに12億ドル以上の評価額で買収されたオンラインショッピングサイトを
営むザッポス・ドットコムのCEOであるトニー・シェイがその企業の成立過程と、
これまでに多数の関係者の信頼を集めてきたポイントを語りつくした一冊です。

日本には進出していないので名前を知らない方も多数だと思います。
ザッポスは、アメリカ・ネバタ州のラスベガスに本社を置き、アメリカ・カナダで
靴や衣料、アクセサリーなどを販売するオンライン小売会社です。
靴のオンライン小売ではアメリカ最大の企業です。1999年に創業され、
2010年フォーチュン誌の従業員にとって働き甲斐のある会社15位にランクインしています。
(ちなみに日本でも有名なIT企業CISCOが16位です。)


ちなみに、こちらの本は以下の三部構成で、著者が語っているように、
企業に働くことの意義とか、起業する人に向けたメッセージとか、
会社のあり方とか様々なメッセージが詰まった、トニー・シェイからの手紙と言えると思います。

第一部は、彼の生い立ちとザッポスにいたる道を見出すまで、
第二部は、ザッポスの志士となっている価値観について、
第三部は、ザッポスが持っているビジョンとそのあらましといった筋書きになっています。

トニー・シェイは台湾からの移民である両親のもとにアメリカで生まれました。
彼がビジネスを始めたのは、なんと9歳。100匹のミミズを親に買ってもらい、
それを元手に繁殖して業者に売ろうと考えますが、残念ながら逃げられてしまいます。

しかし、これに懲りていなかった彼は、小学生時代には女の子の家でガレージセールを行い、
中学時代にはニュースレターを発行し、理容師から広告を掲載させることにも成功します。
(残念ながら発行部数自体が二部に過ぎず事業継続を断念していますが。)

そして、雑誌に広告を掲載し、読者から写真を送ってもらい、それをバッジにして
返送するというビジネスを思いつきます。最初にバッジ製造キットを親に借金しますが、
一ヶ月で返済し、毎月200ドル安定して稼ぐ中学生になっていました。
高校生、大学生と勉強は適度にやっているとできるレベルであった彼は、
学校そっちぬけで、いかに楽に儲かる方法がないかをずっと考えている学生でした。

ハーバード大学を卒業した彼は、ソフトウェア会社のオラクルに就職します。
最初の仕事はとても負荷がかるいもので、
会社で仕事をしていたのはわずか実質3時間程度でした。

彼は、さっそくサイドビジネスを同僚と始めることにします。
企業のウェブサイトを制作する仕事でした。その仕事から報酬が得られることになり、
彼はオラクルを辞め、自らベンチャー企業を立ち上げることになります。
もちろん両親は何の計画もないこの行動を快く思っていなかったそうです。

彼はパートナーと共にいくつかのアイデアのうちで、ウェブサイトの
バナー広告を管理するシステムを思いつきます。
そして、リンクエクスチェンジという会社を設立します。

時はインターネットの黎明期、
彼らのサービスを利用するウェブサイトはどんどん増えていきました。
そして、なんとヤフー創業者のジェリー・ヤンからアポイントの連絡があります。
そして、2000万ドルを提示され、企業買収のオファーを受けます。
しかしながら、そのお金を得たと想定して、自らの行動をリストアップした結果、
まだまだ冒険をしたいという想いが共有できていた社員同士で、
買収オファーを断ることに決めます。

しかし、ヤフーに投資したベンチャーキャピタル セコイアが300万ドルを出資し、
さらに売上は増加の一途を辿っていました。
1997年にヤフーから買収提案を受けて、
会社自体の骨組みもしっかりしないままに
社員を増やし事業を拡大していたある時期、
彼は、目覚ましを七度目で止めるほど、
会社に行くのが嫌になっていることに気がつきます。

それからしばらくたち、会社をマイクロソフトに売却することに決まります。
1998年11月正式にマイクロソフトとの契約が結ばれるのですが、
買収時提示された満額を得るためには、
1年間仕事に留まれば400万ドルを手に入ることが
契約に盛り込まれていたのですが、彼は仕事に対して情熱を失っており、
まったく会社に行かないこともあったほどでした。
自由の時間のほとんどを使いあるときは、ポーカーに打ち込みます。

そこで彼は、「どうしたら勝てるのかを見つけ出すこと」を考えながら、
これまでの自分を振りかえり、
これまでの人生で最高に幸せを感じたことを考えてみます。
結論として、何かを生み出し、育て、
自分が情熱を傾けられることをするのが最良だと気付きます。

それから、彼は投資家として靴のネット販売を始めたザッポスという企業に出会います。
売上は伸びる方向であったものの、利益を上げるところまでには到達しておらず、
資金がショートする状況であったにもかかわらず、資金調達は進んでいないのが
当時のザッポスでした。

そこで、トニーが投資家をやめ起業家として、
ザッポスに私財をつぎ込みフルタイムで働き始めます。

しかし、引き続き資金的な危機的状況が継続してたザッポスは、
ユーザーの拡大に向けたマーケティングコストも十分ではなく、
苦渋の選択としてリピーターへの購買頻度向上を
目指した購買機会の拡大に注力します。

別の大手靴流通企業から転職した社員の意見に従い、
それまで注文発注だった仕組みから、
自社にて在庫を抱える販売形態にシフトします。
業界慣行がネットにはまだ慣れていない当時としては、
当然ながらネット専業では仕入先から認められず、
オフィスの軒先に店舗を構え、
在庫スペースを確保する投資は必要となりましたが。

本当にトニーの資産がすべて空になるそのチャレンジの結果として、
売上は3倍超になりますが、まだキャッシュは十分ではなく、
在庫の行方不明が発生するなど、物流面での課題も発生しますが、
業務委託を止め、すべて自社内で対処することでなんとか乗り越え、
売上が継続的に伸び、銀行からも融資枠を獲得すると同時に、
支払いタームも若干は余裕をもてるようになりました。

ここで、トニーを中心に、ザッポスでは
社員皆がどういった企業であるべきかを考え始めます。
そして、「最高のカスタマーサービスを意味するザッポス・ブランド」を
築くことを目標に設定します。
その時期までには、ザッポスで行っているサービスは、以下のとおりです。

1.オンライン、オフラインを問わず、どこよりも最高に充実した品揃え。
2.配送料無料、返品時の送料無料
3.4から5日以内の配達保証(ほぼ全ての顧客に対して実際には2・3日で到着)

これらは、ザッポスが2003年に実践していたもので、現在の日本の通信販売企業でも
Amazonなど一部の大手企業にしか実行できていないサービスです!

ザッポスは、継続的に企業のブランド価値を高めていけるように、
以下10のコアバリューを制定しています。

------------------------------------------
1.サービスを通して、「ワオ!」という驚きの体験を届ける
2.変化を受け入れ、変化を推進する
3.楽しさとちょっと変なものを創造する
4.冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ
5.成長と学びを追求する
6.コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
7.ポジティブなチームとファミリー精神を築く
8.より少ないものからより多くの成果を
9.情熱と強い意志を持て
10.謙虚であれ
------------------------------------------

これを継続して実践し、より多くのファンとなる顧客層をつかみ、
売上を拡大し続けて、アメリカナンバーワンの靴の小売企業になったからこそ、
世界でも一番大きいネット通販企業Amazon.comから買収される結果が生まれます。


その後の詳細については、本文を読んでいただきたいのですが、
私が「ザッポス伝説」という本にも関わらず、
私がこれまでのこの文章にて、トニー自体のザッポスに
出会うまでに長々と触れたのは、まさに彼がザッポスの文化の土台を
築いていくのに必要不可欠な数々の経験を積んでいたからに他なりません。

私もインターネットの通信販売企業に従事するものとして、
お客様のワオが全く得られていない状況に気がつかない事態に
陥ってしまっていると感じることが多々あります。

何しろ、お客様の声を本当に探ろうとするには、
どうしても受身になってしまう媒体になりうるからです。

だからこそ、サービスを提供する側こそが、よりオープンな姿勢で、
お客様の声に耳を傾けていく気持ちがなければ、
確実に、お客様に「ワオ!」と言ってもらえることはできません。

この本を読みながら、自らの仕事について深く考えさせられました。
そして、仕事だけではなく今後の人生の歩き方にも大きな意義がありました。

私の愛読書である藤沢武夫著の「経営におわりはない」とともに
仕事について考えるきっかけにするべく、折をみつけて再読したいと思います。

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評価:
トニー・シェイ
ダイヤモンド社
¥ 1,680
(2010-12-03)
コメント:小売に関わる仕事をしている人には是非読んでいただきたい一冊です。それからこれから仕事につく学生の方にもお勧めです。ファイトもらえます。

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