黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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むかし男ありけり 木村栄文作品 鑑賞
この土日に、オーディトリウム渋谷で始まった「公開講座 木村栄文 レトロスペクティブ
に出かけてきました。取り急ぎ木村ディレクターの以下5作品を鑑賞しました。

苦海浄土、あいラブ優ちゃん、鉛の霧、まっくら、むかし男ありけり

撮られる視点も、問題提起も、役者さんの配役も、見どころもすべて違っていて、
本当に同じ人が作ったのかと思えるくらい、重ねてみても飽きないどころか、
引き込まれてしまう作品の数々でした。
もちろん、どの作品も甲乙つけがたい傑作の数々です。
しかし、表題のとおり、私が想いをまず書きたいのは「むかし男ありけり」です。


この映画は、壇ふみの父としたほうが有名であろう直木賞作家「壇一男」の
晩年の送ったポルトガルのサンタクルスを高倉健がレポーターとして、
現地にて、壇一男が接した人々にインタビューをしながら、
彼の著作を読みながら、その生活に触れていく紀行ドキュメンタリー(?)です。

壇一男は、最後の無頼派と呼ばれるくらいの、好色家であり、
生涯で沢山の土地を行き来するたびに、多数の女性を虜にした人物であったようです。

この「むかし男ありけり」の中でも、彼の話をするだけで、
弾けんばかりの笑顔を見せる女性が多数登場します。

一年半に渡って家族同様のつきあいをしたポルトガルの人々はもちろん、
博多にある呑み屋さんの女将も、ぞっこんだったことは、
ディレクターの木村さんと高倉さんが、インタビュー時に
言葉をなくして、彼女に「何か言って」とせっつかれるシーンを見れば伝わってきます。

木村栄文さんも高倉健さんも、女性にもてる心優しい男性ですが、
その二人を持ってしても、持て余してしまうほど、
女性に対して特に魅力あふれていた壇一男という
オトコの生涯を見事に表現した作品でした。

壇一男は、代表作が「火宅の人」という小説と括られるのですが、
実態は、自らの体験を描いた作品であり、彼の女性遍歴、
人生に影を落としている重たい精神の想いが赤裸々に綴られているそうです。
(私は現時点で未読なので内容は判断できません。)

高倉さんは、その壇が歩いた場所を訪ねて、彼を慕った人々と会話して、
この作品が、本当に精魂こめて文章化されたことに感銘を受け、
居住まいを正して作品を味わわなければいけないと、最後に感想を述べていました。

作品の表現としての観点からは、高倉健を使ったこと、
木村栄文ディレクターがインタビューをしていること、
当人の愛人に直接想いを訪ね歩くことなどにスポットがあたるかもしれません。

しかし、そういったものを抜きにして、木村ディレクターと、高倉健さんが
本当に、壇一男という男に対して尊敬の念を抱いているという軸が
一本に通っている作品だったように思います。

高倉健さんがポルトガルを訪れて、明日帰るという最後の夜、
サンタクルスの壇行きつけのバー主人が、壇一男を記念したパーティーを開きます。
そこには100人を超える人々が集まって、本当に楽しそうな表情をしています。

きっかけは作られたものだったかもしれない。
けれども、その作られたきっかけをもとにして、偶然の出来事をたくさん起して、
本当の人々の感情を引き出していく、
これが、木村栄文作品の真骨頂です。(少なくとも5作品はそうでした)

この素晴らしさがうまく表現されている作品だったと思います。
壇一男の作品にもきちんと目を通してみたいと思います。

JUGEMテーマ:ノンフィクション 
木村栄文 | 22:52 | comments(0) | - | - | - |
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