黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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平野国臣 小河扶希子著 西日本人物誌17「対策草稿」

平野國臣という福岡市生まれの幕末の志士は、

歴史の表舞台にほとんど現れなかった福岡藩士です。

彼は、中国や日本の歴史に興味をもち、深い学識を持っていました。

そして、職としても、太宰府天満宮など宗教施設の建設に

携わるなど、天皇を尊重する立場にその考えの中心をおいていました。


様々な志士と接点を持つ中で、世の中の情勢は、

腐敗してどうしようもない徳川幕府社会を壊し、

新しい体制を築く他ないと決意し、薩摩藩を中心として、

日本全国を倒幕体制に動かそうと奮迅しました。


彼が、29歳のときに行政指導者としてのあるべき姿を以下のようにまとめています。

以下、平野國臣が1856年に記した

「対策草稿」訳 本著p214-p219を引用します。

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謹対尊問(行政の指導者としての姿)

国民を励まし強固にする道は、物事や道理に精通していて、学問が広く、

守る道の正しいことを知っている「君子」でないならば、

天下を治めることは出来ない。

今、身分地位の上下も、いとわずこぞって取り組めば、

まさしく国家が栄えないことがあるだろうか。

小臣もとより才知は劣り、文才も乏しい。

とはいえども、未だ働き尽くしていない。

かたくなな考えは取り払い、その立場をわきまえ、

あらかじめ劣った考えも述べて上申する。

いつも失敗ばかりしているものも、たまの明暗も採用されれば有り難く、

小臣のこの上ない栄誉、あえて真心を敷きましょう。



励士(学校教育、身分差別の撤廃)

そもそも、国民を励ます道とは、その気概を励ます道のことで、それは教化にある。

教えて導いて善い方向にすすませること。それには、まず館(学校)を建て

ひろく開放して、文武の達人を選び師として、

六芸(国民が学ぶべき六種の学問)の玄人(教師)を挙げ備え、

門生を入学させて文武を習わせ、身分差別を取り払い

上下の情が通じあえば、多いに国を治める一助となる。

加えて毎月三回学力を覧る。怠けているか進んでいるかと見はかることも大事である。

願わくば君候自らお出ましになれば大いに励みになる。

伏して願うに、文武芸術の備えは未だ無しといえども、

時世に備えた訓練鍛錬は必要である。

試しにこの益を教え倦きずに学んで厭わなければ、

すなわち一年もすれば、士気も進まないことがあろうか。


加えて、外寇のことも託し、敵の目の前で、しばしば練兵を行う。

君侯またその場に臨み、国民を常に空虚の無いようにし、

憂事に耐えられないことがないようにすれば、励むことへの近道といえるだろう。



安民(国民の平和、愛、安楽な生活)

国民を教化し、その衣食を豊かにして、平和で安楽な生活をさせることが望ましい。

書経によれば、民衆は邦の根本である。本が固ければ国は安らか、誠なるかな。

もし農夫が農具を捨てれば、国内は飢える。機婦が機を破れば凍える。

農夫機婦は国の根本なり。商工業はともに国の枝葉なり。

枝葉が繁茂してもその根蔓を出さなければまさに倒れる。

また、思いやりを持たないのは良くない。愛さないのも良くない。

愛のほかにはない。従って望ましいには苦楽を共にすることである。


故に国民を安楽させるということは、先ず負担を軽くする。

物事を簡略にする。もし新しく鍛冶屋新田などを開けば、

事情心情を汲み取り、無益であっても大いに民の憂いのためになる。

財産は人が生み出すものである。

求める物は、農業であれば地中にある。水利は旱魃のために施す。

風害、害虫よけを設ける。あるいは商業であれば、商品の流通、貨幣融通替え。

あるいは囚科を正して盗賊の憂いを鮮明にし働かせる。

山は禁獣無く狩らず、野は禁獣無く追わない。

もって国民の望みをあわせ、かつ清廉潔白な官吏保正を選んで任せ、

民を信用してつかわせれば、すなわちすでに国民は安楽である。



去奢入倹(つつましく生きる)

贅沢のし放題で財産が乏しくなれば、まさに貪欲な心をあばく。

これ人の通常なり。若しこの人が大人であれば聚斂するだろう。

若しこの人が小人であれば盗人になろう。

今日、贅沢者をつくっているもとは、その制度にある。

制度をつくるべきは、たとえば、遊民、刀剣、民家、衣装、飲食など、

商業工業などは、一概に制度をつくるのは難しいであろうが、

きちっとすべきである。怪しい宴会など止めさせる。

試しに期間を三年とする。

中でもよくないと思えるものを上げれば、

財、広い田圃、革、織物、金銀銅鉄、玉石等々。

工費が膨大なものは損なうことも多い。よいことは稀なり。

実に無益な贅沢品で国土の弊害となっているものもある。

人が貴いかいやしいかなどは、持ち物やみかけで判断してはならない。


今年より、男女十五歳以下のものは新たに喫煙してはいけない。

その後加齢しても戒めること。蘭学者によって持ち込まれた

贅沢なものが遊民を甚だしくしている。どもすれば西洋西洋という。

輸入品、ガラス製品、製薬品等々のものあそび品が喜ばれていると耳にする。

風俗を大きく妨げている。

守備防禦と称した戦艦火器等の航海術を指導する彼等について、

それ自体が謀で浪費させられているが、彼等の日常や食生活も受け入れがたい。

彼等と同じ衣服に改めようとしている。我々は古来のままでいい。

持ち物も華麗な装飾を施したものではなく、質朴なものでいい。

住まいについては、あらかじめ造営の法則を定めるべし。

飲食についても贅沢な宴会を止めること。

衣服についても、かねてより贅沢な衣服は戒めることになっている。



強国(先ず政治を正す、優秀な官吏を選ぶ、食が足り、兵を足らす)

そもそも国を強くする道は、先ず先ず政治を正しくすること、

そうすれば誰もが正しくなろうと努める。そのために優秀な官吏を選び、

当たらせることも大事である。

古に今を重ね、悪ければ正す。食料を十分に満たし、軍備を整え、

国民には信用を得るように努めること。


呉子曰く、昔、国家を図るは必ず先ず百姓に教育を施し、万民と親しんだ。

百官が先ず賢くなければ、強国は成り得ない。

事の最善をもとめる匠、先ず先ず器量。その器量が国を治める。

賢く、才能学術がある人を推挙して、当たらせる。

完璧を求めず、小さな過ちは許し、才能を取る。

(黒田家初代藩主)長政公の戒めに、賢人に続いて各々進み、

愚将がもし監督不肖であれば、小人が位に臨む。

基本は、大本を掌握し一つに纏める。

これを有徳の君主という。ただ難しいのは監督者の選任であろう。


食が足るとは、飲酒、穀潰しを減らし、天災に備え、農夫を奨励し、

遊び人を懲らしめ、野に荒田凶田を無くすこと。

山には薪材の欠乏を無くす。武士は古来よりこれに従い、

(行軍の時などの食料)粮糒を貯えている。

兵を足らすとは、辺境に燧台を置き、號砲響通の法を定め、常に候はこれに臨む。

牧場を開き牛馬を多く家畜する。武器の製造、玉薬の作りだめ。

巨砲軍艦を製造し、かつ教義訓練を行う。また節制に努める。


害を除き民を安んじ贅沢をやめ国を富ませ、食足り兵備え、

百官各々その任を努め、その威光が海外を震撼させる如きものであれば、

まさに主客転変、その勢いが自らを守る。


内に邪な者や恨みを抱く者が無く、外には武備防御整っていれば、すなはち強国と言う。


安政三年卯二月稿成  小金丸穂徳 九拝啓白

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ここに、平野國臣がこれからの自らの行動の柱である、

倒幕行動から新しい仕組みづくりにかける

想いがすべてまとめられていると思います。

現在の日本にもそのまま当てはまる文言です。

何度も読みくだいて、自分のものにしたいと強く感じました。

JUGEMテーマ:幕末 歴史

評価:
小河 扶希子
西日本新聞社
¥ 1,575
(2004-04)
コメント:平野國臣入門著としてはもっとも読みやすく、熱のある作品だと思います。

平野國臣 | 09:17 | comments(3) | - | - | - |
コメント
from:   2012/08/11 4:13 PM
深澤さんコメントありがとうございます。
何度も読みかえし、自分のものとします。
from: 田ご作A   2012/08/11 3:00 PM
 光君へ
 このコメント届くのかな!テストです。
from: togosaku   2012/08/11 11:04 AM
 光ちゃんへ。
 何度もp214〜P219を読み返せと云々!これ最高のバイブルだよ。2〜3度読み返すうちに自分のものになります。これから面白くなります。
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