黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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幸福な食堂車〜九州新幹線のデザイナー水戸岡鋭治の「気」と「志」〜 一志治夫著
JR九州についてちょっと関心がある方は、ご存知ではないでしょうか。
数々の列車のデザインを手がけられている「水戸岡鋭治」さんの
半生をおった「デザイン」視点を中心にした著書です。

まずは、いきなり水戸岡語録のご紹介から
(以下引用)
水戸岡はこう思う。
モノができるとき、人は経済のソロバンだけをはじく。
それができることでどういう状況を生むか、
どう人間関係や社会関係が変わるかなんてことは想定できないから、
想定できることだけで計算する。だから間違う。
基本的にはお客さんに対して、
いまだかつてないものを提供し、サービスし、
プレゼントするかだけではないのか。
そのプレゼントがすごいから、結果的にお客さんが増えたり、
ファンが増えたりする。
しかも、そのプレゼントは、
お金をかければいいというものではなく、知恵の問題なのだ。
知恵が当たれば黒字になるし、
当たらなければ赤字になるという類の知恵。
その知恵を出すことが理解できないから、
ひとくくりに危険だ、となって片付けられてしまう。
もちろん、自分にも当たるか当たらないかの確証はないけれど、
いま自分の持っている能力を全開にして、
いまだ見たことのないようなプレゼントをつくっていく。
経済ではなく心のソロバンをはじく。
それこそが自分のデザインの肝なのではないか。
9両の車両の真ん中に広がるビュッフェという広場は、
そんな水戸岡の知恵の発露だった。

上記は、水戸岡さんが初めて車両全体のデザインに携わった
新造車両787系電車「つばめ」に仕様策定にあたり、
食堂車が営業上効率的ではないと、
ほとんどのJR九州社員スタッフから反対にあったときの振り返りです。
結果的に、食堂車ではなくビュフェとして「非効率」な空間は、
特急電車に置かれることとなり、
写真撮影スポットとしても大変な人気を集める空間になりました。

水戸岡さんは、家具屋を営む父親に生まれ、
岡山の古くからあるお寺のある街で育った、日本的な感性を、
そのデザインの柱に据えることが類希なデザイナーであります。
高度経済成長期に仕事のイロハを身につけたにもかかわらず、
どことなく、効率的な先進的なものに疑問を感じ、
古くからある自然の美を、うまく現代のデザインに取り入れた作品が数多くあります。
例えば上記の「和歌山電鐵 貴生川線のたま電車」を代表されるように、
子供に列車の旅を楽しんでもらおうとする意図が盛り込まれているのが、
「水戸岡列車」の特徴です。
あそぼーい
現在博多から熊本経由で人吉を走っているJR九州特急「あそぼーい」
の社内もお子様用にいすが小さい点もポイントです。

そして、上記のメッセージにある「食堂車」がついに実現することになったようで、
来年10月より運航開始予定の「ななつ星」という名の寝台列車では、
30億円の総工費をかけて、豪華な旅を演出するそうです。
「幸福な食堂車」口絵にはデザイン掲載されていますが、
ネット上では非公開なので、詳細はぜひ本著をチェックしてください。
ヨーロッパ風のスタイルです。(2人がけで通路となりにバイキングテーブルが並ぶ)

水戸岡さんのデザインについての考え方は、
以下の文章にうまくまとめられているように思いました。
以下引用です。
「つばめ」を送り出した水戸岡は、
ある展示会に寄せてこんな一文を書いている。
「つばめ」のデザインを終えての総括である。

(前略)車両デザインは、
旅という時間と環境をデザインすることにはじまる。
「旅をどう過ごすか」という問いかけからすべてがはじまる。
目的地に一刻でも早くもつくことだけを考えれば、
列車は一見どうでもいいモノがたくさんある。
安価でも雑でも大勢に影響なしと思われるモノがある。

だが、入口と出口のあいだを埋める細かい部分に
思いを込めて本気で手間ひまかけることがデザインであり、
それを思い遣って大切に生かすことが、
大袈裟にいうと「文化」ではないだろうか。
車両にせよ、建物にせよ、
古いものに手を入れて美しくよみがえらせることは、
きわめて洗練された文化だと思う。

正直、この著書には、水戸岡デザインがたくさん掲載されているわけでは
ないのですが、見たいなと思わせる文章が溢れているため、
元々鉄道好きな、九州で育った私は、とりあえず、以下のイベントに
出向いて、水戸岡デザインとふれあおうと誓った次第です。

水戸芸術館にて9月30日まで開催中です。

水戸岡さんの写真のようにクオリティの高いパースが見所です。
ぜひ、観賞後にはまたこのブログにてご紹介できればと思っております。
JUGEMテーマ:鉄道
評価:
一志 治夫
プレジデント社
¥ 1,890
(2012-07-13)
コメント:一度水戸岡デザインの列車、建物に触れてからこの著を読むとまた違った感想になると思います。関東では富士急行にぜひ!

鉄道 | 11:17 | comments(0) | - | - | - |
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