黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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日本一のローカル線をつくる 〜たま駅長に学ぶ公共交通再生〜 小嶋光信著

この著の存在を今更ながらに知って、「鉄道」「小嶋光信」という

二つのキーワードで、このブログでの紹介まで想定してAmazonで購入しました。


鉄道経営に興味がある私は、もちろんのこと、和歌山電鐵貴志川線や

たま駅長のニュースには触れていました。デザインには水戸岡さんが

関わっているのも、アンテナの感度を高くした一つの理由です。

もう一つは、南海電気鉄道から経営を引き継いだのが、小嶋光信氏だった点です。


小嶋氏については、岡山を代表する企業グループを経営されているだけでなく、

このブログで紹介した津田永忠氏の顕彰に精力を尽くしている点から、

大変すばらしい経営者であると私は感じております。

http://blog.kurogi.com/?eid=838036


そんな小嶋さんが自らの「公共交通機関経営」についての想いを

ぎっしり詰め込んだのがこの著です。

章ごとに「教訓」が一言でまとめられていますので、掟破りながら、

すべて一挙に羅列させていただきます。(以下引用)

---------------------

教訓1 先進国で公共交通を民間に任せきっているのは日本だけ。

教訓2 お客様に公共交通の役割を知ってもらう努力が必要。

教訓3 地元の公共交通存続の危機は、会社が倒産するまで行政も市民も気づかない。

教訓4 官の役割と民の役割を分担することが、公共交通の抜本的改革の必須事項。

教訓5 規制緩和による公共交通の事業者間競争は、「狂争」を生む。

教訓6 公設民営では、官は民の運営には口も金も出さないことが大事。

   いざという時に自分でも尻を拭ける事業者に運営は任せることが肝要。

教訓7 市民の協力、行政の応援、社員の努力がなければ再生は成功しない。

教訓8 補助金をいただく企業は、国民の税金で賄われていることを自覚し、

   顧客へのサービスに還元することが必要。

教訓9 公共交通事業の再生には、規制緩和と補助金制度からの抜本的変革が必要。

教訓10 忠恕の心で良いと思うことを実行すれば、必ず良い社会になる。

教訓11 公共交通事業の投資には地域経営の観点が必要。

---------------------

(引用終わり)


要は、最後の教訓に集約されると思います。

地方では社会人一人一台レベルでマイカーの普及が進み、

大都市圏以外の人口が減り続けるなかで、公共交通機関を都市部以外で維持するのは、

民間企業努力だけのレベルでは、現状維持すら不安な状況を数々例示し、

であるならば、民間企業、行政、市民がどうやって街を支え、

その血液の一つである交通機関を形作っていこうとするかが、

まさに今問われていると小嶋氏は、本著全体にて指摘されています。


以下挙げようと思いましたが、多すぎて断念します。

日本の廃止鉄道路線一覧をwikipediaにてご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/日本の廃止鉄道路線一覧

これだけ多くの鉄道路線が、

鉄道が日本で走り始めてからわずか140年の間に無くなりました。

そして、十和田観光鉄道など間もなく廃止される鉄路も多数存在します。

もちろん、これはバスやフェリー、航空路にも言えることで、

行政からの補助金が得られずに、地方の足として必要性が訴えられる中、

利用客減少のためなくなっていった交通網は日本中を挙げれば辞書になります。


小嶋氏もさかんに本文中で訴えられていますが、車を運転できる人間には、

地方交通機関の価値を感じることがないでしょうが、18歳以下の子供たち、

免許未保持者、高齢者、外国人観光客などは交通機関がなければ、

目的の場所にたどり着けない事態になるケースが増え続けるということなのです。


また交通機関は公の乗り物のため、自動車よりも人と人の偶発的な繋がりを

誘発することになり、中心市街地などの賑わいにも大きな影響を与える存在です。

シャッター通りの中心市街地が全国で増え続けることと、地方交通機関の利用者が

減少する事実は、表裏一体の現象であると言えます。


小嶋氏は、岡山で両備グループという売上約1300億円の総合企業の会長職ですが、

交通事業で占める経常利益の割合はわずか全体の3%以下だそうです。

それでも、廃線の危機にあった貴志川線を「たま駅長」という

スーパースターの起用にもより、救った事実をパイロットケースとして、

多くの交通事業者が取り入れていくことが、

日本の地方を再び元気にするきっかけになると訴えていらっしゃいます。

それは、小嶋さんと仕事されている水戸岡鋭治デザイナーの考え方と通じるものです。


私の地元にも、空気を運んでいると揶揄されるバスが存在していて、

そのバスは、廃線となった国鉄赤字路線の代行バスが基幹路線であります。

「限界交通機関」そんな存在から、たくさんの第二のたまちゃんが生まれてきて、

子供達が楽しめる路線が増えていくことを交通機関ファンとしても切に願う次第です。

JUGEMテーマ:鉄道

評価:
小嶋 光信
学芸出版社
¥ 1,995
(2012-02-15)
コメント:とてもシンプルにまとまっていて読みやすい「日本の乗り物経営考」です。事業再生に携わる方は乗り物に関わらずとも考え方は参考に出来るのではないでしょうか。

鉄道 | 09:26 | comments(0) | - | - | - |
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