黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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ドキュメンタリーは今、何と闘うのか?→大きいものではなく自分や身近なものと闘い、面白いものを作らないといけない。
座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル最後のイベント、
ドキュメンタリーに関わる方でのシンポジウムは、
テーマが『ドキュメンタリーは今、何と闘うのか?』であった。
登壇者の田原総一朗さん、原一男さん、金平茂紀さん、三上知恵さん、
ヤン・ヨンヒさん、渡辺考さん、橋本佳子さんのお話しを聞いていて、
私が総じてまとめたのが、表題の結論であった。

もちろん社会の雰囲気とか、国家権力とか、テレビなどの組織とか、様々なしがらみがあることはあるが、
結局は、そこに捉われずに如何に自らが指向する作品を追求していくかが、
ドキュメンタリーを作るものの闘いではないか。
私はそんなふうに各氏の発言を全体として受け止めた。

もちろん私は自らが映像制作者でも、表現者でもないので、
皆さんの気持ちをどこまで受け止められたのかは分からない。
しかし、登壇者皆さんの作品を拝見し、最近のドキュメンタリーを何本か観ていて感じるところは、
ニュアンスとしては多少は理解できているつもりである。

ドキュメンタリーを取り巻く環境は、決して良くないと社会的にも、
現実的に作品制作に関わっているその周囲の人たちからも、声が聞こえてくる。
しかし、ヤン・ヨンヒさんが最後に指摘されたように、
国家権力が直接作品作成や上映を止めさせるような強制力が広く働いている中国と比べると、
まだまだ日本の映像制作者の環境は恵まれていると言える。

お金がない、上映する場所がない、技術を学ぶ場所がない、
それらはきっと言い訳に過ぎないだろう。

金平茂紀さんが仰った通り、アクトオブキリングやアルマジロといった、
昨年世界中で注目を集めたドキュメンタリーに比べれば、
まだまだ日本の映像制作者が出来る可能性は高いはずである。

映像に関わる学校の整備や、プロダクション環境、制作者環境など、
ドキュメンタリーに限られない制作者の横の繋がりは、徐々にでも盛んになっているのではないか。
私は、少しだけだが、そういった活動をする人々を、
このフェスティバルを通じて知ったことが大きな希望に感じた。

昨年のこのフェスティバルでも取り上げられた木村栄文さんが、
軽々とドキュメンタリーにフィクションを挿入し続けたように、
今年の西川美和監督セレクション『クローズ・アップ』で、
プロ映像の作り手にも何がデタラメで何がリアルなのか分からないと言わしめたように、
もっともっとドキュメンタリーが面白くなって、世の中の注目を集めていくならば、
作り手の環境もより良くなるだろうし、社会に与える影響も大きなものとなるだろう。

原一男さんが、奥崎謙三以来面白い人物と出会えていない、
10年向き合っている対象からも、なかなかこの場面でカットできる状態に出会えないと
お話しされていたけれども、もしかしたらこれが多くの日本における
ドキュメタリストの現状認識なのかもしれない。

しかしながら、日々辺野古や高江の人々と共に国家権力と対峙しながら
取材を続けている三上知恵さんは、彼らのことを語る時は目が輝いていらした。
田原総一朗さんが、私は社会的に見捨てられた人を取材してきたと、
田中角栄氏、江副浩正氏、堀江貴文氏、鈴木宗男氏のことを語る姿はとても自信ありげだった。

そんな表現者としての拘りを存分に発揮して、他者からの干渉に屈せず、
優れた作品を世に出していこうと尽力するドキュメンタリストが存在する限り、
日本のドキュメンタリーは面白くなるはずだし、
1人の観客としてそんな面白い新作を期待している。

『クローズ・アップ』でのラストシーンで、
モフセン・マフマルバフ監督に成りすました素人の主人公とともに、
監督本人が、騙された金持ちの家に謝罪するシーンは笑いを堪えきらない。
『神宮希林 わたしの神様』なんて、冒頭に特別協賛 赤福と書いてあるノッケから
観客は笑って脱力した状態で作品の世界に浸ることが出来る。

どんな闘いの場面にいようと『笑い』を蔑ろにしてはいけないし、
笑いが共感の種となることを十分に理解して作品を構成してみる価値はあるだろう。

今回のプログラムでは、テーマが『闘い』であったけれども、
その表現手段は一見笑える作品こそが、
実は観るものに持続的に影響を与えうるのだと考えさせられた。

渡辺考さんが作られたドキュメンタリーの主人公木村栄文さんは、
パーキンソン病に侵され身体が不自由でありながらもカメラに向かってユーモアを絶やさなかった。

作り手がユーモアを忘れてはいけないし、
受け止める側もユーモアを受ける余裕を持っているくらいになりたいものである。
そんなことも、この度のシンポジウムで交わされたやり取りから考えさせられるものであった。

今年もどんなドキュメンタリーが生まれてくるのか、目が離せない。
そんな雰囲気を十分に感じさせてくれた
座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル
関係者の皆様ありがとうございました。
JUGEMテーマ:映画
映画 | 00:03 | comments(2) | - | - | - |
コメント
from:   2015/02/12 7:29 AM
映画は私にいろいろなことを教えてくれます。
お陰で、城後の名前もこの世界で一人歩きしだしました。恐ろしい限りです。
from: 深沢清   2015/02/12 7:25 AM
毎度大した文章を興しますね。驚きです。
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