黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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目的と手段のズレ。サービス経済とは? 〜鉄道の現状から考える〜
時刻表
私は、幼い頃から乗り物に興味がある。
何故かは自分で分かっている。
幼い頃から、父親と母親の仲はあまり良くなく、
自宅の居心地が良くなかったから逃げ出したかったのだ。
私が4歳になったころに廃線となってしまったが、
自宅のすぐ裏に国鉄ローカル線が走っていたのも、
鉄道への関心を高める要因になっている。
小学生の頃、図書館で貸し出し禁止となっていた
国鉄矢部線写真集を何度も見ては、失われた鉄路に想いを馳せていた。

と、そんな国鉄の終焉から30年が経過する訳なのだが、
首都圏で暮らすと気付きにくいが、
交通機関は、大都市圏及び新幹線を除けば、殆ど採算が取れていないのが実態である。
下記リンクは、JR東日本の2010-2014年の路線別利用状況調査データ。
http://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2010-2014.pdf
路線別収益までは分からなくても、
単純に運輸収入を営業キロ数で割れば地方は厳しいことが一目瞭然である。

このようなご時世だからこそ、JR各社はもちろんローカル線運営企業を含めて、
様々な企画列車が運行され、単純なニ地点間輸送以外に魅力を見出す努力がなされている。
私が、今最も注目しているのは、鳥塚社長がほぼ毎日のようにブログを更新され、
尖った企画を次々に展開するいすみ鉄道だ。
http://www.isumirail.co.jp
鳥塚社長は、元々外資系航空会社で働いていらしたが、
サイドビジネスとして、列車の運転席後ろにビデオカメラを置いて、
車窓を記録するビデオ作品を販売する会社を営まれていた。
つまりは、いすみ鉄道の公募社長に選ばれる前から、根っからの鉄道ファンだったわけである。
それは、社長ブログでたまに登場する過去の時刻表を解説する機会に明白なのだが。

社会を取り巻く環境は、これまで高度経済成長期の延長戦が
バブル崩壊以降もなんとなく続いてきたが、
それは完全に杞憂であることが現実の数値として経済面で明らかになってきた。
もはや労働者の7割以上がサービス関連の仕事に従事する中で、
目的と手段が完全に転換している産業もかなり多い。
もはや鉄道は、遠くに旅する手段としては、
自動車と飛行機に挟まれて趣味の乗り物と化しているといって過言ではない。
つまり、これがサービス経済化の伸展という意味が顕著になっている一例なのだ。

地方の足を守ろうといって、赤字ローカル線を維持しようという努力は、
昭和50年代から日本全国で行われた。
しかしながら、そんなスローガンだけで路線が維持された例はほぼ存在しない。
必ずどこかで、その路線の存在価値を発揮できるものが
ニ地点間輸送以外に見出せたからこそ、路線が維持されているのだ。
JR九州のゆふいんの森号が典型だが、
急行しか走っていなかった路線に都市部から若い女性が賑わうようになってきた。
そのような事実こそ、20年間鉄道事業者が様々な努力をして路線維持のためにも、
企画を練っている大きな目的なのである。

その観点から捉えてみると、
すでに物を作って売るという一連の流れで
完結してしまうような企業はもはや完全に時代遅れなのだ。
ただ製品を生産するだけでも、
そこにクライアントを惹きつける仕組みが求められるのが、
サービス経済時代だと言える。
サービス経済を担う事業の肝は、時間をお金に変えること。
その体験を味わう満足度が高ければお客様はリピートしてくれるし、
さらなるお客様を招いてくれる。
では、サービス経済に移行しようともがいている企業がやることと言えば、
時間を遡ることが一番だと私は考えている。

子供の頃、仕事ばかりしていた20代30代の頃、
出来なかったけど、憧れていた経験、
それが体験できるのならば、お金で買えない思い出が蘇る。
そこに払うコストが多少高かったとしても、
その経験から得られる価値は無限大の意味を持ち、
何度も何度もその余韻に浸ることが出来る。
そんな事業こそ、
サービス経済を目指す企業が提供すべき価値なのではないだろうか?

だからこそ、日本で次々に生まれているローカル線で流行っている列車は、
ほとんどが最新鋭車両ではなく、「懐かしさ」を感じる車両なのだ。
若いころには、手段でしかなかった乗り物も、
時間を超えて久しぶりに出会って体験してみると、目的になっている。
そんなシーンが無数に作られる会社には、
次から次にお客様を無理して招かなくても来てくださるはずだ。

豪華最新鋭のななつ星というJR九州の人気列車でも、
デザイナーの水戸岡さんは、古さを感じさせる趣向を随所に取り込んだそうだ。
だからこそ、乗り手が安心して旅を楽しむことが出来る。
物珍しさはホンの最初は流行るけれども、結局は馴染んだものが醸し出す安定性には適わない。

古い雰囲気ながらも、最新の技術と無料でお手伝いしてくれるパートナーを用いながら、
コストを抑えて、運営していくことが、
これからの日本のサービス経済を担う企業に求められるスキルなのだ。

先が暗いと言われる業界だからこそ、変化しつつある鉄道事業者の動向を眺めつつ、
私も温故知新を実行していきたいと写真の時刻表を手にして気持ちを新たにしている。
 
鉄道 | 08:44 | comments(2) | - | - | - |
コメント
from: じょうご   2015/10/11 2:00 PM
ものが見えない社会であるからこそ、そこにいる人を捉えていくと物事が浮かんできます!
面白くなります。
from: 深澤 清   2015/10/11 9:25 AM
非常に良く出来上がっています。驚きです。物造りの商品経済から、サービス経済へパラダイムの変遷期です。これは渦中に居ると、中々分かり難いですね。幕末から明治になった時、農本主義から工業資本主義になったのです。それはお侍さんも農民もその中に生きていて、パラダイムの急激な変遷は自覚できなかったと思う世。今回は物が見える社会から、物が見えないサービス経済だから益々分かり難いとおもうよ。
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