黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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闇を照らす-なぜ子どもが子どもを殺したのか- 長崎新聞社報道部少年事件取材班著 読了。

6月5日広島県三原市で中学3年生の男子生徒が、

5歳の女の子をスポーツセンター2階から投げ落とし、

怪我をさせるという事件が起きました。

読売新聞の報道によれば、

この生徒は特殊支援学級に通っているとのことで、

何らかの障がいを抱えていたことが窺えます。

 

さて、今日読み終えたこの著書「闇を照らす」にて

取り上げられる長崎で起きた3つの凶悪事件被害者は、

いずれも自らの意思を思う通りに行動に表すことができずに、

他者との協調性に何らかの問題があった子どもでした。

 

中学1年生の男子生徒が4歳の男の子を

高さ20mの駐車場から投げ落として殺害した事件。

 

小学6年生の女子生徒が同級生の女の子を

小学校の教室で切りつけて殺害した事件。

 

高校1年生の女子生徒が同級生の女の子を

一人暮らしの自宅で殺害し死体を損傷させた事件。

 

いずれも私が現在生活する長崎県で発生しました。

だからこそ、地元の新聞社である長崎新聞では、

事件検証会議を作り、どんな背景があり、

どのような対策が求められているのかまでを

21回の協議を重ね、しっかり明文化しています。

 

それぞれの事件は、もちろん個々の要因があります。

 

加害者個人の問題、その家族の問題、

そして彼ら彼女らを取り巻く社会の問題、

事件が起きる前には何度も、

大きな問題を予見させるような事態が生じていました。

 

それにも関わらず、

しっかりとした対応がなされなかったために、

凄惨な事件が発生したと捉えられて仕方ない状況が、

この著書では多面的に分析をなされています。

 

 

長崎県に限らず、日本全国で子どもが起こした殺人は、

多数発生していますが、発生直後のセンセーショナルな報道が

ひと段落すると、その背景にどのような問題があったのか、

掘り下げて調査を行う動きは決して目立つものではありません。

 

大人が起こす事件以上に、子どもが起こす事件には、

当事者を巡る様々な問題が内包されている可能性が高いはずです。

何故ならば、子どもはまだ自らで事件が起きたのちに、

生じる現実を考えられないままに、

行動に走ってしまう可能性が大きいのですから。

つまり、当事者は事件を通じて、何らかのメッセージを

伝えようとしているとも言えます。

 

しかしながら、大人の犯罪者は裁判で

客観的に事実が明らかになる点に比べ、

子どもが起こした犯罪については、

少年法など未成年の加害者保護の側面から、

情報が開示されにくい現実があります。

 

だからこそ、報道機関や学術機関など外部の目で、

客観的に事件を振り返ることは非常に重要になります。

もちろん、それは事件の被害者には酷なことです。

 

しかしながら、凄惨な事件を繰り返すことなく、

新しい犯罪者を生み出さないためにも、

誰かがやらなければならない作業であるはずです。

 

 

15歳の女子高生が同級生を殺害した事件では、

その三ヶ月ほど前に、

この加害者は実の父親を殺害しようとしています。

それ以前に母親は病いで亡くなっています。

小学六年生の頃には給食に異物を混入させたり、

小学五年生当時には、猫を殺すようになった事実がありました。

 

父親は救急車で搬送されたにも関わらず、警察に届けず、

関係者にも事実を口外しないように求めたそうです。

この少女は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持っていて、

他者との共感生に問題があり、

特異な対象への過度の関心があったそうです。

しかし、知的能力は高いため表面的には社会に適応できていました。

 

しかしながら、少女を診察していた医師は少女を放置すれば

殺人に至る危険があると判断し、事件直前に児童相談所へ

電話で相談をしています。

 

しかしながら、その児童相談所内にて

課長による相談員へのパワハラなどの問題があり、

この少女に対しての対応は全く行われませんでした。

その後も、医師は父親に対して児童相談所に繰り返し、

相談要請を行ったものの、全く顧みられずに、

最悪の事態となってしまったわけです。

 

 

この事件が決して特異な事例とは思えません。

子どもは様々な点で、周囲の大人に対して、SOSを発しているのです。

それを拾ってあげられるのは、家族を含めた周りの人間です。

 

少子化が社会的な課題となっている現代だからこそ、

一人一人の子どもにどうやって向き合っていくのかは、

社会全体のテーマであると言えます。

 

私自身わずかながら子どもに日常的に接する大人として、

子どもたちに何ができるだろうか、

せめて声をかけることからでも始めたいと改めて考えさせられた、

非常に意味のある読書となりました。

 

長崎新聞が提唱した男児誘拐殺害事件検証会議から

発達障害の子どもたちへ寄せたメッセージを最後に紹介して終わります。

 

(以下294pより引用)

友達とうまくいかなくて「おかしいなあ」

お父さんお母さん、先生にいつも怒られて

「何でだろう」「つらいなあ」と、感じていませんか?

 

それってあなたの努力が

足りないわけじゃないかもしれない

他の人がしない努力をあなたはしているよ

 

あなたが他の人と違っていてもいいんだよ

 

友達や家族、先生の中に

応援してくれる人が誰かいるよ

すぐに、会えなくてもどこかにいるよ

困った時、周りの人に聞いてみて

(引用終わり)

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

闇を照らす

評価:
長崎新聞社報道部少年事件取材班
長崎新聞社
¥ 5,330
(2017-04)
コメント:子どもが加害者となった事件の背景、そしてそれを踏まえて地域からこのような悲惨な事件を起こさないためには何が必要なのか、非常に具体的な提言が含まれた子どもに関わる人に読んでほしい一冊です。

読書 | 19:04 | comments(0) | - | - | - |
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