黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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総理の原稿-新しい政治の言葉を模索した266日- 平田オリザ・松井孝治著読了。
評価:
平田 オリザ,松井 孝治
岩波書店
¥ 1,944
(2011-04-08)
コメント:施政方針演説など内閣総理大臣が発するメッセージがどのように作られているのか知りたい方には必読。加えてどうして民主党政権崩壊以降、民進党が再浮上できないのかも理解できる一冊。

政治家の言葉の軽さが色々な点で、

政治に対して不信感を招いているのが現実の社会である。

 

私自身も政治に関わる人間として、

政治家はいかにして言葉を紡いでいるのか、

興味があって、この本を手にしてみた。

 

といっても、私がこの本を手にした理由は、

民主党(現 民進党)、自民党といった政権与党の

党派性という色眼鏡ではない。

 

現憲法下で初めて成し遂げられた

政権党が完全に交代することによって成立した鳩山内閣。

賛否両論ありつつも、それまでの総理大臣が発する

所信表明などとは大きく異なっていたと言われる。

 

鳩山総理の原稿が、

どのような経緯で作られたのかに興味があり、

平田オリザ氏の本を読み、

松井孝治氏のツイッターでの発信を踏まえて、

漸くこの本を手にしたに過ぎない。

 

政権を取った頃からの面影が乏しくなった民進党、

その前身である民主党は、間違いなく自民党に変わり、

日本国を代表して国民にメッセージを発していた。

 

そして、発足当初は政治主導というキーワードとともに、

それまでになかった様々な国会議員主導の変化が起きた。

 

今、自民党政権に戻り、様々な国会のやり取りを垣間見て、

政治主導が大きく進んでいると感じる国民は、

決して多数派ではないのが実態ではないだろうか。

 

 

前置きが長くなり過ぎたが、

本書は、鳩山内閣の総理演説を書き、

官邸のオープン化に寄与した

劇作家で演出家である 平田オリザ氏と、

当時内閣官房副長官を務めていた 松井孝治氏の

対談をまとめられたものが中心となっている。

 

まずは、この対談の本文ではなく平田氏の意見を入れて、

松井氏が纏められた鳩山内閣初閣議の文書、

総理の考え方を示した「基本方針」より一部を引用したい。

 

平成21年9月16日

 

1 本日ここに、民主党と社会民主党、国民新党の連立の下、

新たな内閣が発足いたしました。

 

私は、先の総選挙は、民主党及び友党のみの勝利ではなく、

国民の政治へのやりきれないような不信感、

従来型の政治・行政の機能不全への失望と

それに対する強い怒りが、高い投票率になって現れ、

政権交代に結びついたものだと考えてきました。

 

その意味で、総選挙の勝利者は、

国民一人ひとりであるはずです。

そして、この国民の強い期待に対して、

全身全霊を傾けてお応えするのが、

この内閣の使命であると確信しております。

 

2 今日の日を、日本が明治以来続けてきた政治と

行政のシステムを転換する、歴史的な第一歩にしなければ、

この内閣の意味はありません。

 

そのために、この鳩山内閣は、

「本当の国民主権の実現」、「内容のともなった地域主権」を

政策の二つの大きな柱として、

新たな国づくりに向けて、動き出したいと思います。

 

わが国は、今日から、利権政治と、それを支えてきた

官僚依存の政治システムからの脱却を目指します。

国民主導により、国民一人ひとりが豊かさを実感できる

政策を行う本当の意味での「国民主権」の国家へと転換していきます。

 

また、明治以来の中央集権体質から脱却し、

地域の住民一人ひとりが自ら考え、主体的に行動し、

その行動と選択に責任も負う「地域主権」へと、

この国のあり方を、大きく転換していきます。

 

3 新たな国づくりに向けて、まず、国政の運営を、

官僚主導・官僚依存から、政治主導・国民主導へと

刷新しなければなりません。

 

ただ、私たちが目指す政治は、

「官僚たたき」の政治ではありません。

 

誰かを悪者にして、

政治家が自らの人気をとるような風潮を戒め、

政治家自らが襟を正し、国民の声に謙虚に耳を傾け、

率先垂範して汗をかいていきたいと思います。

 

「政治主導」は、単に政治家が官僚の上に立つ

政治体制ではありません。政治家自らが、

今一度、憲法に定められた「国民主権」の意味をかみしめながら、

国政の大きな舵取りをしていこうということです。

 

配下の官僚諸君にも、意識の変革を促しつつ、

共に改革に取り組み、国家を支える中枢としての

誇りを取り戻していただきたいと思います。

 

(以下省略)

 

内容を見ていくと、どうしてこの後民主党への支持が減少したのか、

そして現在の安倍内閣の支持率が低下していく要因までもが

おぼろげながら見えてくるのではなかろうか。

しかし、それはこの本の要点ではないので触れずに置く。

 

まず、この基本方針を読んで感じることは、

役人的な言い回しを極力省こうと努められている点である。

役人文章になると、右にも左にも捉えられる玉虫色の

表現が含まれていることが多くなる。

 

しかし、この基本方針には、これまでの問題点はこれ、

だから今後このように変えていこうとするという

明確な姿勢がはっきり謳われている。

 

もちろん、内容としては共に仕事をしていく仲間となる

官僚に向けて十分に配慮されているものなので、

国民の側からすると気持ちが良いとは言い辛い。   

 

しかしながら、あくまでも国民の投票行動という意思を踏まえ、

目指すべき政治の方向性を定義し、

それを目指すために官僚の協力を求めるという流れは、

非常に論理的であり、回りくどい表現ではない。

 

平田オリザ氏は本職であるからもちろん、

松井孝治氏も数々の伝統文化に造詣が深いため、

日本人がどのような表現で、人々を惹きつけるかを

十分計算されて書かれている基本方針だと感じられる。

 

また、これまで続いた自民党政権で国民が不信感を抱いたのは

果たして何だったのか、これを提示することも、

その基本方針のポイントであると言えるだろう。

 

 

言葉は人を動かすものである。

特に政治という多くの人々に関わってくる世界に

置かれている政治家という人が発する言葉であれば尚更。

 

しかしながら、逆に言えば多くの人々に影響するからこそ、

多くの人々にとって当たり障りのない言葉を

発されてきて、それに対して有権者が関心をなくし、

政治家に対して信頼性を失っているのも事実である。

 

また、皮肉にもそれを打破しようとして登場した

民主党政権が、大きな結果を残せなかったことも、

何かを期待していた有権者には大きなトラウマとなっている。

 

 

だからこそ、今必要なことは、

改めて言葉の大切さを政治家自らが認識し、

力強い言葉を自らの責任で発することではなかろうか。

 

もちろん、その結果多くの反論があるのは避けられない。

だからと言って、そこで立ち止まっていたら、

まさに成長が伸び悩む日本を変革していくことはできない。

 

今、政治家に発言が求められているのは、

後ろ向きな行動ではなく、前向きな行動を促す

未来を捉えた言葉なのではなかろうか。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

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